ラックスマン、新型ステップアップトランスなど搭載した半導体フォノアンプ「E-07」
ラックスマンは、半導体構成のフォノイコライザーアンプ「E-07」を10月ごろに発売する。価格は550,000円。 「E-07」背面端子部 本機は、昨年生産終了となった全段真空管回路/無帰還回路構成の「EQ-500」や、現在も販売中のコンパクトモデル「E-250」に次ぐ本格的なフルサイズ・フォノイコライザーアンプ。奥深いアナログ再生の愉しみをレベルアップするための性能と機能を徹底的に追求し、“演奏者がリアルに浮かび上がる豊かな音場感と彩り鮮やかな音色を再生する新たなリファレンス製品” としている。 アンプ回路は、RIAAカーブ対応のNF型フォノイコライザーアンプ回路を搭載。初段FETを4パラレル接続とすることで低ノイズ化を図った。また、L/Rチャンネルおよび周辺回路用のそれぞれを完全独立させた大容量OI型電源トランスを設置。さらに各回路ごとに専用のブロックコンデンサーとディスクリート構成のレギュレーター回路を設けたハイイナーシャ電源回路を採用し、各回路の負荷変動が互いに干渉し合わないセパレーション構造としている。 MC/MMカートリッジに対応。MCはXLR端子によるバランス接続に対応しており、電源部にはL/RチャンネルとLow/Highゲインそれぞれを独立させた計4基のスーパーパーマロイ製MC昇圧トランスを搭載する。また、MC/MMそれぞれの発電方式やインピーダンスに合わせて負荷インピーダンスを切り替えられるスイッチを装備。MCは本体前面のスイッチによって4.7Ω/10Ω/40Ω/100Ω/300Ω/1kΩの6段階から切り替えられ、MMは背面のスイッチから34kΩ/47kΩ/56kΩ/100kΩの4段階の切り替えが可能。負荷容量も0pF/100pF/220pF/320pFを選択できる。 入力端子は、RCAを2基、XLRを1基装備し、最大でトリプルアームもしくは3台のアナログプレーヤーへの接続が可能。そのほか、花弁のような形状のグラウンド接続構造「PGS(ペタル-シェイプド・グラウンド・サプライ)」を採用。各回路ブロックに対し、信号基準点から極厚の銅板材によって同一の距離/同一の超低インピーダンスで放射状にグラウンドを供給することで、高い伝送安定性によりS/N面で優位に働くと説明している。 そのほかの機能では、レコードの反りなどにより発生する有害な低域成分を排除できるローカット・スイッチ、モノラルレコードの再生時に用いるモノラルモード・スイッチを装備。また、再生する音楽の信号電流でカートリッジやMCトランスを消磁するアーティキュレーター機能も備えている。 入力端子はRCA×2、XLR×1、アース端子×4の7系統、出力はRCA×2、XLR×1の3系統を搭載。出力インピーダンスはRCAが300Ω、XLRが600Ω。全高調波歪はMM/MCともに0.003%。RIAA精度はMMが20Hz - 20kHz(±0.3dB)、MCがMMが20Hz - 20kHz(±0.5dB)。SN比はMMが90dBV、MC-Lが80dB、MC-Hが57dB。外形寸法は440W×92H×407Dmm、質量は13.2kg。
編集部:岡本雄