選挙で敗北続きの大阪自民 「外部頼み」の府連会長人事 内部から「情けない」と嘆き節
自民党大阪府連の新会長に22日、青山繁晴参院議員が就任した。10月の衆院選で与党が過半数割れに追い込まれる中、来年夏の参院選が、府連トップとしての手腕を問われる最初の試金石となる。一方で府連は大型選挙で敗北が続き、幹部を務める人材が払底。「外部頼み」で組織の立て直しを進めざるを得ない窮状に、関係者からは嘆き節が漏れる。 【表でみる】衆院選の大阪府内19選挙区をめぐる各党の獲得議席数 「日本の危機管理やレゾンデートル(存在意義)を考えれば、大阪を他党に任せてよいという発想ではだめだ。大阪を立て直さずして日本が沈む現状は立て直せない」 22日の府連大会後、青山氏は記者会見し新会長としての決意を述べた。 自民府連は令和3年の衆院選で候補者を擁立した府内の15小選挙区で日本維新の会に全敗。先の衆院選では候補者選定を党本部の「大阪刷新本部」が主導し立て直しを図ったが、派閥パーティー収入不記載問題の大逆風もあり再び全敗した。 青山氏は「大阪刷新本部が機能しなかった。(候補者選定は)下から積み上げ党本部と議論すべきだ」と強調した。 目下の課題は、来たる参院選で改選を迎える太田房江氏の議席を死守することだ。ただ、先の衆院選では府内の全19小選挙区を日本維新の会が独占しており、府連内では太田氏の3選を危ぶむ声が出ている。 無派閥の青山氏は不記載問題とは直接関係がない。知名度があり、保守系論客の一人でもあることから、保守層などの支持回復に期待する向きがある。一方で衆院選の結果を受け、石破茂首相の辞任を要求してきた青山氏が党執行部との関係を構築できるかは未知数だ。 もっとも府連側から青山氏に会長就任を打診したのも、府連内の国会議員3人に適任者が見当たらないためだ。 ある府連会長経験者は「青山氏の人気頼みの人事だ。府連内には、泥をかぶってでも立て直そうという気概を持った人間はいないのか。情けない」と嘆いた。(山本考志、清宮真一)