年金の保険料は「払い損」ってホント?会社員と自営業で「損・得」をシミュレーション!
自営業者の年金の「損・得」をシミュレーション
次に自営業者の年金の損・得をシミュレーションしましょう。 2024年度の国民年金保険料は月1万6980円です。自営業者は原則20歳から60歳までの40年間国民年金に加入するため、総支保険料は月1万6980円×12ヵ月×40年間=815万400円となります。 また、65歳から受け取る国民年金の満額受給額は月額6万8000円です。 ※国民年金の保険料は年度ごとに改定されます。ここではシミュレーション上、2024年度の保険料を採用します。 そのため、寿命別にみた自営業者がもらう総年金額は以下のとおりとなります。 ●自営業者がもらう寿命ごとの年金総受給額 寿命 年金受給総額 ・70歳 408万円 ・75歳 816万円 ・80歳 1224万円 ・85歳 1632万円 ・90歳 2040万円 ・95歳 2448万円 ・100歳 2856万円 75歳まで生きれば、総年金受給額が総年金保険料の815万500円を上回ります。また、85歳まで生きれば総年金保険料の約2倍の年金を受給可能です。 もちろん寿命にもよりますが、国民年金は一般的にお得な制度と言えるでしょう。
老後にかかる生活費はいくらか
年金受給額を確認しましたが、老後はどれくらい生活費がかかるのでしょうか。 総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上夫婦のみ無職世帯の平均支出は月額25万959円です。 平均的な年金暮らしの家計収支となりますが、可処分所得21万3042円に対して消費支出が25万959円。毎月▲3万7917円となります。 老後の生活を考える際には、年金受給額だけでなく生活費も同時にシミュレーションしておきましょう。
年金受給額をシミュレーションしよう
自分にあった老後対策をおこなうためにも、年金受給額は把握しておくことは重要です。 日本年金機構の「ねんきんネット」を使えば、簡単に将来の年金受給額のシミュレーションができます。 ぜひ、自分の年金受給額を知って、必要な老後対策を考えてみてください。
参考資料
・日本年金機構「令和6年4月からの年金額等について」 ・厚生労働省「公的年金シミュレーター」 ・総務省統計局「家計調査報告【家計収支編】2023年(令和5年)平均結果の概要」
苛原 寛