存在感増す中国コスメ 韓国メイクとの違いとは?
―――その中でヒットアイテムとその理由は?
柚原:「パーフェクトダイアリー」では、“エクスプローラ12色動物アイシャドウパレット”(3990円)や“トランスルーシェントブルーリングルースパウダー”(3890円)が好調だ。アイシャドウパレットは目を引く動物柄のパッケージと捨て色がないカラー展開、発色の良さで人気。ルースパウダーはTikTokやインスタグラムなどのSNSで「水をはじくパウダー」として話題となりその後店頭で欠品するほど人気となった。「フラワーノーズ」など、見た目にこだわった製品は新しいシリーズが発売する度に、話題を集めている。また「ズーシー(ZEESEA)」の“夢幻燦爛動物シリーズ4色アイシャドウ”(1580円)は、猫や犬のかわいらしいパッケージと手に取りやすい価格帯で若年層を中心に売れている。
―――日本でも「千金メイク」に代表されるように、中国コスメ・メイクが受け入れられつつある印象だ。顧客の温度感については?
柚原:ブランドがこだわっている世界観や高いデザイン性はもちろん、品質面でも非常に優れているものも多く、日本の顧客にも苦手意識はないと感じている。展示会で中国コスメをご紹介する際も顧客からは好印象で、ブランドを既に知っている人も年々増えている。最近では各種SNSで中国メイクの発信が増えており、Z世代を中心にニーズが高まっている。韓国コスメとはまた違ったメイクも常に話題となっている印象だ。
―――韓国メイクと「千金メイク」などに代表される中国メイクでは、テイストにどのような違いがある?
柚原:あくまでも個人的な意見となるが、分類するとすれば韓国メイクはナチュラルな可愛い系、中国メイクは凛としてハッキリした印象の美人を目指す印象だ。韓国メイクはアイドルのような束感のあるまつ毛や透明感ある水光肌、自然な色味(ニュアンスカラー)や淡い配色のアイシャドウやチークを使用し「ナチュラルでキレイ」「かわいい」を強調する傾向がある。一方で中国メイクにおいては、アイラインやアイブロウをしっかりと描き、鮮やかな色味のリップを使用する。さらにハイライトやシェーディングで立体感を演出・陶器のような白いマット肌など美人度が増すようなメイクが多いのではないか。ここ最近の「千金メイク」においても華やかさのある令嬢のようなイメージで、韓国のアイドルメイクとは重視するポイントが異なると感じている。