「下水汚泥を肥料に」機運じわり 化学肥料の原料高騰で注目
国への登録や検証進む
県内では小県郡長和町が下水汚泥の肥料化で先行する。下水汚泥や生ゴミを堆肥化した「ながわ1号」が21年、国の肥料登録を受けた。町終末処理場で出た下水汚泥や生ごみなどを町の堆肥化施設で処理し、粒状に加工している。 23年度の提供量は69・4トン。希望した町民延べ57人に無料配布したほか、大規模農家に使用を勧めた。24年度は県農業試験場で栄養価などを調査予定で、町民福祉課は普及に向け県の「お墨付き」に期待。量販店などで扱ってもらい、収益を処理施設の維持更新費に充てることを目指す。 下水汚泥とは収集・処理工程が異なるものの、上田地域広域連合清浄園(上田市)は、上田地域の家庭や農業集落排水施設などからし尿や汚泥を収集、焼却し、焼却灰を「サラ・さらさ」(焼成汚泥肥料)の名称で販売。1袋(18キロ)50円で市民に提供し、23年度は月250袋ほどが売れた。リン酸、カリウムを豊富に含む。担当者は「化学肥料の高騰もあり人気が高まっている」。1人月2袋まで購入可能としてきたが、7月からは1袋に制限する。「資源を循環させるために今後も提供を継続したい」と話す。
竹端集