越乃リュウ「瀬奈じゅんさん、彩乃かなみさんと観劇。月城かなとさん、海乃美月ちゃん、ご卒業おめでとうございます!鳳月杏さんへバトンを」
◆トップスターのカウントダウン トップスターは、トップになった時からゴールに向かってカウントダウンが始まります。 自分の決めたゴールに向かって、納得のいくゴールを切るために、限られた時間を全身全霊で走り抜けます。 そして、後に続くものにそのバトンを繋いでいくのもトップスターの役目です。 そのタイミングは人それぞれですが、自分が納得がいく男役像が完成した時、男役の美学の完成時に去るのがトップスターの伝統の去り際とされています。 自分のことよりも組のことを考え、組子のことを考え、月組を引っ張っていった月城さん。 その記事を見たときから、絶対に見届けたいと思っていました。 トップスターの退団公演は、どうしてもいつもとは違う空気が流れます。 寂しさや名残惜しさ。 別れのつらさ、そして新しい時代への期待。 これがあるからこそ、宝塚の歴史が続いています。
◆何度も経験した千秋楽 みんなで一丸となって舞台をつくり上げることの素晴らしさ。 限られた時を全力で走る退団者の目に見えないエネルギーの熱さ。 そしてそれを温かい拍手と眼差しで見守ってくださるお客様。 千秋楽の温かい空気は忘れることが出来ません。 7月7日月組千秋楽の日に、劇場に想いを馳せながらこの原稿を書いています。 月城かなとさん、海ちゃん、ご卒業おめでとうございます。 二人の輝いた笑顔が目に浮かびます。 「千秋楽の日に『もっと見ていたかった』と思ってもらえるよう最後まで男役を追求していきたい」 そう言われていたように、たくさんの人が月城さんの男役姿を「もっと見たかった」と思っていることでしょう。 私もその一人です。 穏やかな美しい笑顔で微笑まれると、自然とまわりも微笑んでしまう。 そんな温かさで月組を引っ張っていってくれたトップさんでした。 あなたが強い使命感と優しさで作ってくれた月組は、笑顔が溢れみんな輝いていました。
◆月組の未来 月組の未来は、その想いと共に次の時代を担う鳳月杏さんへと繋がれていきます。 きっとまた新しい風を吹かせてくれることでしょう。 月城さんの横で大輪の花を咲かせた海ちゃん。 輝いている海ちゃんをとても嬉しく思い観ていました。 よく頑張りましたね。 本当にお疲れさまでした。 たくさんの素敵な舞台を見せてくださりありがとうございました。 これからのお二人のご活躍と輝かしい未来を心より祈っています。 そして、あれだけの美しさを放たれた月城さんが女性に戻ったらどれだけ美人になるのか、非常に気になっています。
越乃リュウ
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