「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」の違いって何ですか?【専門家が解説】
薄型テレビを購入する際、候補に挙がるのが「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」。この2種類のテレビには、どのような違いがあるのでしょうか。 【表で見る】テレビは何年で買い替え? 家電の「寿命」一覧 「All About」デジタル・家電ガイドの安蔵靖志が解説します。 (今回の質問) 「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」は何が違うんですか? それぞれにどんなメリットやデメリットがあるのか知りたいです。 (回答) 液晶テレビと有機ELテレビは映像を映し出す方式が根本的に異なります。 どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
◆明るくて安い「液晶テレビ」、視野角が広くコントラストが高い「有機ELテレビ」
液晶テレビと有機ELテレビは映像を映し出す方式が根本的に異なるため、以下のような違いがあります。 ●液晶テレビのメリット ・明るい ・小型モデルから大型モデルまで幅広い ・価格が比較的安い ・焼き付きが生じない ●有機ELテレビのメリット ・コントラストが高い ・視野角が広い ・応答速度が速くて残像が出にくい 液晶テレビは基本的に、バックライトと液晶フィルター、カラーフィルターを組み合わせたもの。液晶パネルによってバックライトからの光の強さを増減し、カラーフィルターを通すことで色として映し出します。 有機ELテレビは、有機EL素子を敷き詰めた有機ELパネルの上に、カラーフィルターを配置して映像を映し出します。有機EL素子自体が発光するだけでなく、明るさを調節できるのが特徴です。 この方式の違いは、主に「コントラスト(明るさと暗さの比率)」に現れます。 当初の液晶テレビのバックライトは「全面駆動方式」、つまり全面が同じ明るさで点灯するものでした。この方式は、液晶パネルで光を遮断しても光の漏れが生じるため、暗部の映像表現が苦手という弱点がありました。その後バックライトをいくつかに分割して駆動する「部分駆動方式」を採用することで、暗部の表現力をアップさせてきています。 それに対して有機ELテレビは画素1つ1つの明るさを自在にコントロールできるため、真っ暗な映像の場合は明るさを0にすることが可能。つまり液晶テレビよりも圧倒的に暗部の表現力が高いというわけです。