防災、観光振興で協定 石川、和歌山が締結、地震の教訓共有
石川県と和歌山県は20日、防災や観光振興、県産品の販路開拓に向けた連携協定を締結した。能登半島地震で得られた教訓を共有し、紀伊半島がある和歌山と防災体制の強化につなげる。石川県庁で岸本周平和歌山県知事と協定書を交わした馳浩知事は「風土条件が似通っているところがある。互いに強みがあり、支え合うような協定にしたい」と述べた。 石川県が他の都道府県と1対1の連携協定を結ぶのは京都府に続いて2例目となる。馳知事と岸本知事は衆院議員時代から交流があり、昨年、馳知事から協定を呼び掛けた。 能登半島地震を受けて和歌山県は復旧対応の応援職員を派遣。県内市町なども含めてこれまでに延べ7500人以上が被災地支援に当たっている。岸本知事は「紀伊半島で同じことが起きれば、孤立集落が発生する。明日はわが身だ」と述べ、防災面での連携に意欲を示した。 協定には農林水産物の販売促進や観光振興に関して連携して取り組んでいくことも盛り込まれた。 両県にはいずれも世界農業遺産の「能登の里山里海」と、南高梅の産地である「みなべ・田辺の梅システム」が認定されており、特産品の販売イベントなどを企画する。来年3月には大阪市内で連携イベントを行う方針で、馳知事は来年度の予算でも連携事業を盛り込む考えを示した。