英国で「風力」が電源構成のシェアトップに: 2024年、LNGや原子力を上回る
記事のポイント①英国の2024年の電源構成で、「風力」がシェアトップに②風力は30%を占め、ガスの26.3%や原子力の14%を上回った③同じく島国である日本は約1%にとどまるが、ポテンシャルに期待も
英ナショナル・エネルギー・システム・オペレーター(NESO)はこのほど、英国の2024年の電源構成で「風力」がシェアトップになったと明らかにした。ガスの26.3%や原子力の14%、石炭の0.6%を上回り、電源構成で30%を占めた。同じく島国である日本では、風力発電が占める割合は約1%にとどまるものの、今後のポテンシャルには期待も寄せられている。(オルタナ編集部=松田大輔) 英ナショナル・エネルギー・システム・オペレーター(NESO)は、英国の2024年の電源構成で、風力発電が占める割合が30%に達したと公表した。 ガスの26.3%や原子力の14%を上回り、風力が初めて同国最大の発電方式となった。その他、輸入が14.1%、バイオマスは6.8%、太陽光は5%、水力は2%と続いた。 英国は24年9月に最後の石炭火力発電所を閉鎖しており、石炭による発電は0.6%にとどまった。 島国・英国は洋上風力発電に力を入れており、約15ギガワットの設備を有する。脱炭素政策をさらに推進するため、30年までに風力の発電容量を4倍の60ギガワットにすることを目指す。 同じく島国の日本では、風力発電が電源構成に占める割合は約1%にとどまる。一方で、伸びしろを評価する声も多く、今後の導入加速が期待されている。 気候政策に詳しい平田仁子・クライメート・インテグレート(東京・港)代表理事は、「島国・日本では、ポテンシャルの高い洋上風力で、新たな産業を興すチャンスがある」と話す。 日本政府は昨年末、第7次エネルギー基本計画の原案を公表した。2040年度の電源構成として、風力は「4~8%程度」とした。同案に対して、1月26日までパブリックコメントを受け付けている。