羽咋の閉館民宿絵で彩り 災害ボランティア拠点明るく
能登半島地震の被災地を明るくしようと、関東のアーティスト2人が羽咋市内の民宿だった建物をアートで彩っている。地震後から災害ボランティアの活動拠点となっている民宿で、外観はそのままだったことから、全国から初めて訪れた人でも一目で分かるようにする。地域に親しんでもらえるように羽咋をイメージしたデザインにし、26日にお披露目のイベントを開く。 【写真】2人が描いた看板。輪島市内に設置されている=今月21日 アートを制作しているのは、埼玉在住のシンガー・ソングライター来島(きじま)エルさん(22)と、東京在住のイラストレーターKOTOKOさん(23)の2人。 羽咋市大川町の民宿「お宿こんぴら」は地震前に閉館したが、2月からは奥能登などで活動するボランティアの宿泊などの拠点として利用されている。来島さんが災害ボランティアで訪れた際に利用した縁で、アートを制作することになった。 壁や看板などに描くアートのデザインはKOTOKOさんが考えた。国内で唯一、波打ち際を車で走れる千里浜海岸や、羽咋が「UFOのまち」であることなどをモチーフにした。実際に海岸やコスモアイル羽咋を訪れ、イメージを膨らませた。 2人は東日本大震災で被災した宮城県石巻市の教会でも今年6月にアートを制作。能登でも輪島市の教会の看板にイラストを描いたほか、許可を得た羽咋市内の住宅の塀にも絵を描いている。 26日のお披露目イベントは午後1時からで、来場者にアート制作に参加してもらうほか、来島さんのライブも行う。 KOTOKOさんは「制作中も地域の方に声を掛けてもらった」と語り、来島さんは「まだ復興が進んでいない状況を見て、アートや歌で少しでも元気を届けたい」と話した。