やさしい子が「陰キャ」の一言で傷つけられてしまう時 親がしてあげられること
元スクールカウンセラーで2000人以上の親子の悩みを解決してきた吉田美智子さんは、内向的な子には長所が多くあり、その力を伸ばす方法を伝えています。 【図表をみる】内向型・HSC型・トラウマ型の子どもの特徴 本記事では吉田さんの著書『声かけで伸ばす内向的な子のすごい力』より、内向型の性格の子が抱えがちな問題について「芯が強く個性的な内向型」と「環境感受性が高いHSC型」のケース別に親の対応方法を解説した一節を紹介します。 ※本記事は、吉田美智子著『声かけで伸ばす内向的な子のすごい力』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)より一部抜粋・編集したものです
「陽キャ」「陰キャ」で二分されてしまう
子どもの意地悪は年齢によりその理由や質が異なります。まずはその違いについて説明します。小学校低学年までは、子どもたちはまだ自己中心的で、それぞれが思いのままにふるまいます。 その自己中心性であったり、意地悪をしたときの相手の反応がおもしろいからという単純な理由で嫌がらせをすることがあります。だから、意地悪されたら「やめて」と言うように、子どもに伝えることが大事です。 何が悪いことなのかわかっていない場合があるので、してはいけないことを大人が教えることも必要です。注意されてもすぐに直せないときもありますが、よくない行動をしたときに、その都度注意喚起してください。 小学3、4年生になると、自分の言動が相手にどう受け取られるかがわかるようになり、自分の行動をコントロールするようになります。ただ、コントロールできる子とできない子が混在しているためトラブルが発生しやすい時期です。 行動をコントロールできない子に対する周りの目が厳しくなって、批判されることが増えるとフラストレーションが高まり、ますます不適切な行動をする悪循環につながることもあります。もし子どもが意地悪をしてしまうようなら、家では我慢させず、ストレス発散できるようにしてあげましょう。 このように小学校中学年くらいまでは、子どもの成長過程で自然と生じるトラブルが多く、それは次の4つで対応できます。 ①嫌なことは嫌と言うように子どもへ伝える ②大人が行動を注意する ③意地悪の理由を大人が解説する ④子どもが傷ついたときは話を聞いて慰める 小学校高学年以降の思春期に入ると、環境にもよりますが、陰湿化した意地悪が増えます。 「陽キャ」「陰キャ」のように性格を二分する考えもでてきます。内向型やHSC型は、「陰キャ」と言われてしまうことがあるかもしれません。子どもの性質をネガティブなものだととらえた意地悪が起きたときには、どのような対応ができるでしょうか。