事件報道で聞く「身柄確保」とは? 「逮捕」とどう違うのか
ほかにも実務的な理由もあります。「逮捕してしまうと、怪我があっても無理やり警察署に連れていくことになります。警察署の留置場でもかかりつけの医師に来てもらうことはできますが、大怪我の対応はできないのです。(澤井弁護士)」 逮捕状があるのにもかかわらず、すぐには逮捕しない。そこには、このような背景があったのです。 (※)現行犯であるなど必要な条件を満たす場合には私人による逮捕も可能 --------------------------- ■重野真(しげの・まこと) 地方紙在籍中には支局/社会部に所属し、事件事故や学術文化などの報道に携わる。現在はフリーランスの記者として、雑誌・ウェブサイトで硬派記事を執筆するほか、ネットニュースの編集も手掛けている 《取材協力》澤井 康生(さわい・やすお)弁護士 元警察官僚、警視庁刑事を経て旧司法試験合格。弁護士でありながらMBAも取得し現在は企業法務、一般民事事件、家事事件、刑事事件などを手がける傍ら東京簡易裁判所の非常勤裁判官、東京税理士会のインハウスロイヤー(非常勤)も兼任。代表著書「捜査本部というすごい仕組み」(マイナビ新書)など