柔道 永山・ガルリゴス戦「不可解判定問題」に再度、疑問の声「ジュリーは何をしていたのか」【パリ五輪】
パリ五輪柔道男子60キロ級の準々決勝で、五輪初出場となる日本代表の世界ランク6位の永山竜樹がスペイン代表の同4位のフランシスコ・ガルリゴスに負けた一戦がいまだ波紋を呼んでいる。 【画像】角田夏実の金メダルや阿部詩の涙、大岩Jのゴールラッシュも…日本勢が見せたパリ五輪の「悲喜こもごも」を厳選フォトでチェック! 同試合では試合終盤に寝技に持ち込まれた永山を締めあげたガルリゴスが審判から「待て」の合図が出されたのにも関わらず、締め上げ、結果として失神。永山は合図があったことで力を抜いたのだが、ガルリゴスが締め上げをやめなかったことで命の危機にまでさらされた。 日本選手団も「悪魔の6秒」と批判するなど、猛抗議を行ったが、審判団は永山が失神したことを受け「締め技で意識を失った場合には自動的に1本となる」ルールを適用、「片手締め」を有効とし、コールに至った。 納得がいかない永山はガルリゴスとの握手も拒否、コーチが審判団に確認している間も畳にとどまったが、判定は覆らなかった。 柔道界のOBからも様々な意見が上がる中、柔道元日本代表でモルドバ代表コーチを務めていた経験も持つ石川裕紀氏が私見を述べた。 石川氏は27日に自身のXを更新。五輪柔道について様々な意見を述べる中で、永山・ガルリゴス戦にも注目。「改めて永山選手の試合見たけど、落ちたのは完全に『待て』の後でしょ!主審が相手の勝ちにしてたのは仕方ないにしても、ジュリー(審判委員)は何も思わなかったのかな」とつづった。 本来ならば、「待て」の合図が入った後には、従わないといけないところをガルリゴスはそのまま締め技を強行。その後、「一本」が認定された。本人は待ての指示を「騒音で聞こえなかった」とスペイン紙の取材に応えている。 今回の件では主審を務めたエリザベス・ゴンサレスさんの判断も注目を集めているが、石川氏が話題にしたように試合を見守る役目を果たす「ジュリー」と呼ばれる審判委員の職務にも目が向けられている。 ジュリーはビデオ判定導入後はビデオを確認し、主審に意見を伝えるなど、いわば誤審があったときなどは差し戻しを通告できる立場としても知られる。 となれば、今回のような事例では「待て」の合図の後に相手が締め技をやめなかったことは明白なため、「一本」に至るプロセスに関して、主審、およびジュリー(審判委員)も含めての複数チェックが機能していたのかも、焦点となっている。 すでに全柔連は永山の判定に関して、国際柔道連盟(IJF)に文書で抗議したとしている。その中では「待て」後に、6秒間、締め続けたことへの明確な説明はなかったという。 過去にも五輪柔道の舞台では大きな誤審騒動も起きた。今一度、悲劇を繰り返さないための基準や方策が求められている。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]
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