メルセデス、新車W15はコクピットが約10cm後退……23年型W14では、前すぎる着座位置にハミルトンが猛批判
■マシンの挙動を把握しやすくなったのか?
なおゼロポッドを採用したことで、2022年と2023年のメルセデスのF1マシンは、側面衝撃吸収構造(SIS)をサイドポンツーン内に収めることができず、このSISを収めるためのウイング状のフェアリングが設けられていた。これも排除され、W15では他のマシン同様サイドポンツーン内部に収められた。 その他、リヤサスペンションがプルロッドからプッシュロッドへと変更。これも、再設計されたギヤボックスなどと共に、他の変更と連動したものであろう。 ハミルトンはW14のコクピット位置について苦言を呈したが、テクニカルディレクターのジェームス・アリソンは、この意見はマシンの弱点に対するハミルトンならではの表現だったと語った。 「ルイスは弱点について、自分が座る位置について話すことで表現している。ジョージ(ラッセル)がコクピットの位置について話すことはないが、このクルマには全く同じ酷さがあると語っている」 アリソンは昨年末にそう語った。 「その不安定さを適切に修正できたとしても、ルイスはフロントタイヤに近い位置に座っているため、コーナーのエイペックスが少し見えにくいということは気に入らないと思う」 「しかし実際に着座位置自体が、マシンの扱い方を認識するのを困難にするような、知覚的な問題を引き起こしているわけではない」 「彼が望む位置に座っていれば、扱いにくいマシンでも、もう少し正確にドライブできるかもしれない。しかしそれは、不快な部分を取り除くということだけ。良くないモノに対処するため、コクピットの位置を最適化するというモノではないのだ」 「我々は、マシンの扱いにくさを軽減することに重点を置いている。そして(昨年の)オースティンで投入したアップグレードは、その点に置いて穏やかな前進だったと言える。そしてちょっとした幸運があれば、2024年はより多くの前進をもたらすことだろう」
Jonathan Noble, Matt Somerfield
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