「冷えてないと無理」「味が嫌い」「水道水は不衛生」…令和に水が飲めない子ども急増の理由。昭和・平成の親世代は「私たちは学校で蛇口から直飲みしてたけど…」
ママたちが語る子どもの水飲み事情
「日頃から水を飲む習慣をつけてほしい」と教師たちは語っていた。親たちはどう思うか、毎年「住みたい街」で上位にランクインする吉祥寺駅周辺で小学生のママたちを対象に街頭アンケートしてみた。 「うちの娘は、『水は味がないから嫌だ』と言って、家のウォーターサーバーの水を一切飲んでくれません。レストランへ食事をしに行ったときも毎回ジュースをせがまれます。 学校に行くときはいつも水筒に麦茶を入れて持たせています。この時期は水筒1本だと心配なので、毎日2本持たせています」(40代専業主婦 小4女子のママ) 「小1の娘は麦茶やミネラルウォーターは飲みますが、まったく『水道水』に手をつけませんね。公園で遊んでいて喉が渇くと水飲み場をスルーして『お水買って~』ですからね(笑)。 でも東京住んで20年以上になりますけど、自分も水道水なんてほとんど飲んでないし、飲まないことが“当たり前”なのでそれほど気になりません」(40代・自営業・小1女子のママ) 「小2の息子は基本、麦茶ばかりでふだんから水道水は飲まないです。ただ水筒がカラになると学校の冷水器で水を足しています。冷たいと飲めるらしく、水筒は氷でいっぱいにしています。 この前、家で麦茶とミネラルウォーターが切れていて、水道水に氷を入れて渡したら風呂上りにおいしそうにガブガブ飲んでました」(40代パート。小2男子のママ) 「うちの息子は公園に連れて行くと、少し目を離した隙に水道水をガブガブ飲むから困っています。水筒にお茶を入れて持って行っても、水道水のほうが好きだと言うんです。公園の水道って誰がどういう風に使っているかわからないから衛生面が不安です。 今のところ、お腹を壊したことはないので問題ないとは思うのですが、学校で同じことをして、友達に引かれないかが心配です」(30代パート・小1男子のママ)
昭和、平成世代の水分補給は?
一方で、昭和、平成の学校ではどのように水分補給がされていたのだろうか? それぞれの世代に訊いてみた。 「私は小学校の頃、バレー部に入っていて、放課後の体育館で毎日ハードな練習に励んでいました。私たちの世代は『ブラック部活』がまだ当たり前の時代で、決められた休憩時間にしか水分補給をすることが許されませんでした。 夏場の蒸し暑い体育館で練習をしていて、喉がカラカラの状態でも監督に『休憩時間になるまで我慢しろ!』と言われていました。限界を感じ、トイレに行くふりをして、監督に隠れてトイレの水道の水を飲む部員も多かったです。 私は物心ついた頃から水道水を飲むことに抵抗があったので、ふだんであれば絶対に飲まないのですが、そのときばかりは熱中症で倒れるよりはマシだと言う気持ちで、トイレの水道の水をガブ飲みしました。今思い出しても辛い思い出です」(20代後半女性 サービス業) 「僕が小学生の頃は、今のように熱中症対策をするのが当たり前の時代ではなかったので、学校に水筒を持って行かない日も普通にありました。 小学校には冷水機が設置されていましたが、クラスメイトが水の出口に口を直接つけて飲んでいるところを見てしまって以来、飲めなくなりました。 当時は水を買うなんて概念がなかったので、みんな学校でも当たり前のように水道水を飲んでいました。中学生くらいまでは、水分補給ができれば何でもよかったので、水道水がまずいとかおいしいとか考えたこともなかったですね」(30代・男性 営業) 「冷水器なんかありません。学校の水道水で水分補給をしていました。だから、体育の授業終わりや夏場は水道に長蛇の列ができていました。蛇口に口を直接つけて水を飲んでいる子がいるとみんな『汚い』と言って、その子の後ろには並ばないようにしていました。 あと、僕が通っていた小学校には、『右から2番目の蛇口から出る水が冷たくておいしい』という噂が流れていました。水を飲んでいる途中で後ろからくすぐられて、口に含んだ水を思いっきり噴き出しちゃう子もいましたね。 それに男子は蛇口を上にして“じか飲み”。女子は蛇口を下にして“手をかざしながら口に飲む”なんて謎ルールがありました。懐かしいですね」(40代半ば男性 自営業) 総務省消防庁によると、昨年5月~9月の全国での熱中症による救急搬送人員の累計は9万1467人である。こまめな水分補給を心がけ、くれぐれも熱中症対策は万全に。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班
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