沖縄伝統の豚食文化を味わう名店3選【沖縄シティガイド】
2.〈富久屋〉|お祝いに欠かせない汁物を定食で。
琉球王朝時代の古都、首里で40年以上、伝統の味を伝える人気の琉球料理店。沖縄には汁物にも独特の文化があり、碗も大きめで具沢山なのが特徴だ。ここ〈富久屋〉は、お正月やお祝いごとの際に欠かせない汁物を、気軽に楽しめる定食形式で提供している。その中でもホルモン好きがたまらないのが中味汁だ。 「中味は下処理に時間をかけています。保温鍋で4~5時間かけて、うんと柔らかく仕上げます」というのは店主の富名腰米子さん。
汁は他に、「んむわかしー」(さつまいもと豚の三枚肉、キャベツの味噌汁)や、限定数の「むじぬ汁」(田芋とその茎を使った味噌汁)、さらに「ゆし豆腐」や「沖縄そば」も。どれも豚出汁のうま味が存分に感じられるがあくまで上品だ。首里育ちの富名腰さんが、子供の頃から食べてきた首里の味という。 夜は刺身やラフテーなどを加えたコース料理3,000円(4人以上、予約制)もあり、泡盛とゆっくり楽しむのもいい。
富久屋
沖縄県那覇市首里当蔵町1-14 TEL 098 884 4201。11時30分~15時。月曜・火曜・水曜休。昼は予約不可。夜は4人以上の予約制。
3.〈栄料理店〉|名物「てびち」を唐揚げスタイルで。
地元の食材を活かした沖縄の料理と器までも楽しめる〈栄料理店〉の看板メニューが《てびち唐揚げ》。「てびち」とは豚足煮込みのことで、沖縄を代表する豚肉料理のひとつ。琉球王朝時代に中国から伝わったとされる伝統料理だ。ここでは18時間かけて煮込んだ豚足を、唐揚げにして、黒酢南蛮たれで絡める。 中はとろとろ、外はカリッで、豚肉の旨みを堪能できる。また沖縄産の豚足を1本丸ごと煮込んで唐揚げにした《島豚骨付きスネ肉の丸ごと1本揚げ 南蛮黒酢たれ》(2,200~3,500円、1日限定4本、3~6名用)というスペシャルな1皿も。
てびち以外に《ジーマーミ豆腐揚げ出し》や、地元野菜や海鮮を使用した創作料理、あぐーのしゃぶしゃぶなど、幅広いメニューが人気だ。また恩納村の道の駅〈おんなの駅〉には、てびち唐揚げ専門店〈豚三郎〉として出店。ドライブ途中の軽食などに、テイクアウトで楽しめる。
栄料理店
沖縄県うるま市石川伊波1553-463 TEL 098 964 7733。17時~23時(21時30分LO)。日曜休・変動定休日あり。
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