米中がワシントンで経済作業部会、中国の過剰生産能力を巡り再び対立
(ブルームバーグ): 米中両国政府は16日、米首都ワシントンで経済分野の作業部会を開いた。米国側は中国の過剰生産能力に対する懸念を改めて表明。一方、中国は米側の批判に反発を示した。
米財務省は会合後に発表した声明で、「米代表団は中国の非市場的な慣行と過剰生産能力について引き続き懸念を表明した」と説明。米中両国は「これらの問題についてさらに協議を行うことで合意した」とした。
今月上旬にイエレン米財務長官が中国を訪問した際に行われた会談では、中国の過剰生産能力を巡る米側の懸念が主要テーマとなった。同氏は、すでに巨大な製造能力をさらに増強するという中国の戦略は広範な世界規模の懸念事項だと繰り返し指摘した一方で、内需の活性化に注力するよう中国政府に求めた。
だが、米国の圧力によって中国政府の政策が実際に変わる可能性はほとんどない。中国は自国企業が価格競争力のない先進国によってペナルティーを科されていると主張し、米国の補助金の一部を巡り世界貿易機関(WTO)に提訴。中国の習近平国家主席は16日、中国のクリーン技術輸出拡大が世界のインフレ対策に寄与しているとの見解を示した。
物価への影響は、米国の同盟国である日本にとっても懸念事項だ。鈴木俊一財務相は16日の閣議後会見で、中国の「過剰生産」がデフレからの完全脱却を目指す日本の取り組みに影響を与える可能性があるとの見方を示した。
在米中国大使館の劉鵬宇報道官は16日の米中経済作業部会後に、一部の中国の輸出増加は「国際分業と市場の需要」によるものだと指摘し、過剰生産能力を巡る米側の主張を退けた。
原題:US and China Lock Horns Again on Industrial Overcapacity Claims(抜粋)
--取材協力:野原良明、横山恵利香.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Bloomberg News