【自白と恋愛感情】裁判の行方は…。再審無罪の西山美香さんが、取り調べ警察官に直接質問「あなたは『俺がお前の不安を取り除いてやる』と言った」
西山さん 警察官に直接質問する
(裁判長)「ここは、意見を言う場所ではありません。原告に対しては質問をしてください」 裁判の終盤には、西山さん本人が警察官に直接質問する時間も設けられた。裁判長からそのように諭されると、西山さんは静かに頷き、立ち上がった。 (西山さん)「先ほど代理人から取り調べの中で、『イスを蹴ったり机をたたいたりはしていない』とあなたは答えましたね?」 (警察官)「はい。そうしたことは、していません」 (西山さん)「(バンバン)こういうふうにたたいたことはありませんか?」 (警察官)「一切ありません」 淡々と否定し続ける警察官。西山さんも、冷静に、言葉を選びながら質問を続ける。 (西山さん)「そうですか…。あなたは何日も取り調べをする中で『俺がお前の不安を取り除いてやると』私に言いました。その理由は?」 (警察官)「取り調べで被疑者を改心させるため、反省させるために言ったことです」 最後に、西山さん側の弁護士から、こんな質問が投げかけられた。 (西山さん側の弁護士)「あなたは今でも西山さんが殺害したと思っていますか?」 (警察官)「無罪判決が出ています。取り調べ官として取り調べをした私が答える立場にはない」 その直後だった。 (西山さん)「答えてくださいよ!今でも私が犯人だと思っていると言ったらいいじゃないですか」 それまでの冷静さを欠き、声を荒げた西山さん。法廷は、静まり返りまった。
ちゃんと謝ってほしかった
閉廷後、記者会見でこの日の尋問をこう振り返った。 (西山さん)「(警察官と)お会いしたのは約20年ぶりでした。第一印象は、『えらい年をとったな』と思いました。当時、それまで誰からも肯定されてこなかった自分に対して『賢いほうだよ。自信持って』と。そう言われるだけで好きになってしまって。なんでそんな人を好きになってしまったんだろうと。でも、ちゃんと謝ってほしかった」 5月30日には、警察官の上司の証人尋問も予定されている。「謝ってほしかった」。そう望む西山さんの思いは届くのだろうか。