「正論を言う」リーダーが部下から慕われにくい訳 4月、新たに「マネージャー」になった人たちへ
新年度に昇格・あるいは新たな配属でプロジェクトリーダーを任された人も多いのではないでしょうか。 自分に与えられたチャンスを生かし、メンバーとのコミュニケーションを良好にして、成果を出すためにはどうすれば良いのか、日々試行錯誤を繰り返している人もいると思います。 これまで述べ2万人超のリーダー育成を手掛けた人材コンサルタント、園部浩司さんの著書『変化をもたらすリーダーは何をしているのか?』(フォレスト出版)から一部抜粋・編集してお届けします。 【漫画】東大生断言「頭がよい人」「そうでない人」決定的差
■「リーダー」の仕事とは? メンバーの仕事とリーダーの仕事の違いがわかっていない メンバーとマネージャーはまったく異なる仕事と心得る あなたはリーダーの仕事をどのように捉えているでしょうか。 リーダーに抜擢された人であれば、おそらくメンバーやプレイヤーであったときに、高い実績を出してきているのではないでしょうか。それを評価されて、リーダーやマネージャーになっているはずです。 すると多くの人が、リーダーの仕事、マネージャーの仕事を、これまでのやり方の延長線で考えてしまいがちです。
部単位でバラバラに管理していた文房具などの消耗品を、いくつかの部でまとめて一元管理し、効率化を図るというプロジェクトが炎上するまでの私も、そうでした。 プロジェクトメンバーである各部の庶務担当の人たちとの人間関係が悪くなり、非常に険悪なムードになりました。 炎上してもなお、自分の何かが間違っていることには気づけても、何がいけないのかがわかりませんでした。 信頼できる上司や後輩に相談したり、本を読んだりして、リーダーの役割とはどういうものなのかを勉強しました。そのようなプロセスを経て、やっとたどり着いたのが、この結論です。
「自分がメンバーとして経験してきた仕事だから、自分はこの仕事に精通している」と考えているのが、そもそもの失敗のもとだということ。 「マネージャー」の仕事は、「メンバー」の仕事の延長上にあるのではありません。「マネージャー」と「メンバー」とはまったく別の職種なのです。その認識を当時は持っていませんでした。 「マネージャー」とは、自分の部署やチームのメンバーたちの個性に合わせて人を活かすことが仕事です。