[MOM1028]新潟医療福祉大DF細井響(3年)_J注目のレフティーが勝利決すダメ押し弾、本職CBも全国仕様のアンカーで夏王者封印
[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [12.18 インカレ決勝ラウンド第3節 阪南大 2-6 新潟医療福祉大 J-GREEN堺メインフィールド] 【写真】「イケメン揃い」「目の保養すぎ」今季MVPの武藤嘉紀が豪華メンバーで会食 夏の総理大臣杯決勝で敗れた相手を、圧倒的な強さで撃破した。新潟医療福祉大DF細井響(3年=習志野高)はチーム4点目でリードを3点差に広げ、勝利を決定づけた。「大臣杯であと一歩のところで優勝に届かなかった相手。ほかの大学よりもみんな勝ちたいという気持ちは強かった。それが結果に表れた」と大勝の喜びを噛み締めた。 たしかな攻撃力で得点を重ねた新潟医福大は、後半17分までで3-1と2点差のリード。それでも対戦相手の阪南大は2日前の中京大戦でその2点差をひっくり返していた。また、夏の大臣杯決勝でも阪南大に終了間際で決勝ゴールを決められたこともあり、新潟医福大は気を抜かなかった。 「3点目を決めた後も次の1点だぞという話をしていた」(細井)。そして後半27分、勝利を決定づけるゴールが生まれる。敵陣近くでボールを奪われたが、細井が中盤でフィルターとなって再奪取。「いつもだったらロングシュートを打ってしまうけど、とっさの判断で」。巧みなタッチで2人をかわし、PA内に入り込んで左足を一閃する。ゴール右隅に突き刺して4-1。選手とスタッフ全員が勝利を確信して雄叫びをあげた。 細井の本職はCBだ。北信越大学リーグではCBを務めることが多いが、より強力なアタッカーが多い夏の大臣杯とインカレでは4-1-4-1のアンカーとして君臨。182cmの体躯と鋭いプレスで相手からのボールを何度も刈り取り、要所では前線にも顔を出す。さらにロングスローでセットプレー要員としても躍動した。 「全国になると相手もけっこう前がかりで、前に強い選手もいる。そのなかで自分がセカンドボールを拾ったり、守備側に回るシーンが全国だと多くなる。CBが相手FWに行く前に自分がカットする守備のところは意識してやっている」 アンカーでは守備だけでなく攻撃も意識。柏レイソルのアカデミー出身で「足元は小中レイソルだったこともあって、自信がすごくあるわけではないけど、守備の選手のなかではあるほう」と胸を張る。習志野高では2年次に左SHをこなし、高3から再びCBへ。「SHの経験は今に生きている」と自身のキャリアを振り返った。 佐熊裕和監督はアンカー起用について、攻撃面の成長を促す理由があると明かす。「プレーの幅を広げたいというところで、攻撃もやらせたいというのがあった。今はアンカーだけど本来は後ろの選手」。それでも、アンカーとしての素質にも目を見張る。「左足のキックやハードワークしながら打点の高いヘディングもある。あとマークにつきながら一番危険なスペースを埋められるので、そこは彼の良さ」と評価した。 すでにJ1クラブも含めて3チームの練習に参加。インカレの活躍次第ではさらに注目も集まるが、細井は「今はあまり先を見ずに、目の前の試合に集中して優勝だけを考えている」と悲願の全国制覇に向けて神経を研ぎ澄ませている。 得点が取れる前線、経験豊富な守備陣、それをつなぐ細井。高い安定感を保ち続け、強豪ひしめくグループリーグは3連勝で首位通過した。「グループリーグは思うようにいった。短期決戦なのでいかに波に乗れるかが大事。チャレンジャー精神を忘れずにやっていければ」。22日の準々決勝では日本大と対戦。初優勝への険しい道のりを、中盤の要が支えていく。