大阪王将「ナメクジ大量発生」投稿事件。元従業員による“SNS上の内部告発”の真相が裁判で明らかに
ナメクジが“鍋”に入っていたかも争点に
前回の公判で被告人は一部の投稿の虚偽を認めた。それは、ナメクジが調理する鍋や料理に混入した旨の投稿だ。被告人としては、ナメクジに潜む寄生虫が鍋や料理に混入したのではないか、という可能性を示唆したものだと述べていたが、当然にも検察官は厳しく追及していた。 検察官:実際に、ナメクジ自体が料理に混入したことはあるのか。 被告人:それは見たこともないですし、そもそもないと思います。 検察官:ナメクジが鍋に混入していたというが、ナメクジは卵を割る缶に1匹だけということで合っているのか。 被告人:はい、そうです。 調書によると、厨房に卵液を入れておくための専用の缶があり、そこにナメクジが混入していたことがあったという。しかし、被告人の投稿では「鍋」とされている。その後の裁判官からの質問でも問われていたが、被告人は、その「缶」の形が通常の缶とは異なり、特殊な形状であったことで「鍋」と表現したと述べている。 さらに、検察官は語気を強めて質問をする。 検察官:それなのに、鍋にナメクジが付きまくっているなどど従業員である被告人が投稿すれば、事実なんだと思わせてしまうのではないのか。 被告人:そういう風に受け止められるとは思ってもいませんでした。 被告人によると、問題の投稿は世間に拡散されたかったわけではないという。当時のフォロワーは1万6千人。それでも、「全員が友達でただ見てほしかっただけ」と弁解した。
店長への不満は本部に相談していた
また、検察官は初公判の冒頭陳述で、被告人の動機については職場への「復讐」だと指摘している。現に事件直前には、以前から労働環境や店長への不満が溜まっていたところ、店長から勤務態度を注意され、憤慨して退職していた。 これに対して、被告人は事の発端となった“復讐心”について、「東北を管轄しているマネージャーみたいな人と、大阪王将検定を取った時に先生にも話しました」と、大阪王将本部には相談していたという。なお、被告人が大阪王将検定を取得したのは2022年2月のこと。事件よりも前から相談していたことになる。 その後も、被告人は退職を検討する機会は何回かあったというが、運営会社側は深刻な人材不足で、被告人との問題が起きる度に上司が自宅まで押しかけてきて懇願されて、仕方なく続けてしまったと述べた。