木場弘子 嫌われる人の特徴<マウント>と<会話泥棒>。「相手がまだ話しているのに話を奪って自説を展開」で共感を得られるわけがありません
◆常に意識するべき「当たり前の事実」 こうしたヒトビトは、いったんマウントを取ったとなると、自慢のオンパレードがどこまでも続き、聞いて差し上げるのにも忍耐が要りますよね。 兎にも角にも「すごいでしょう?」の連発には、仮にこちらがそれより上の物を持っていたり、詳しい事情を知っていたとしても、知らないフリで「スゴーイ!」「羨ましい!」と驚いて見せるしかありません。 当然ながら、そこには対話で大切な共感はまるで生まれず、対話も成立しないまま。 こうした、傍から見て少し恥ずかしい感じにならないよう、常に意識しておくべきは「世の中、上には上がある」という当たり前の事実。 それがあれば、たとえば自分のお気に入りを話す際にも「私はここが好きなんですけど、**さんはもっといいお店をご存じでしょう?」という風に、ちょっとした可愛らしさと共に、情報共有をし「共感の種」を蒔けるのではないでしょうか。
◆テレビ討論は「会話泥棒天国」? そしてもう一つ、マウンティングとよく似て、しかもより乱暴な「会話泥棒」という亜種もいます。 こちらは前触れも無く、いきなり人の話に被せて自分の話を始めたり、相手がまだ話しているのに待ちきれず強引に話を取って自説を展開したりします。 やはり共感とはほど遠いやり方と言えるでしょう。 政治家が参加するテレビ討論の中には、まさに“会話泥棒天国”が展開されることも多く、仕切りもルールも無いまま我先にと話す無法状態に唖然とすることもしばしば。 私の息子が小学生の頃、その様子を見て「人の話は最後まで聴かないといけないんだよねー。みんな人の話の途中で取っちゃってるから、学校だったら先生に怒られちゃうよ!」と言ってきましたが、実にごもっともでございました。
◆対話は傾聴から始まる どこの世界にも生息している、マウンティングと会話泥棒。 対話はまず尊敬心を持って、しっかりと耳を傾けることから始まります。 自分は今、楽しく話しているなぁ~という時ほど、俯瞰した目で自分自身を見て戒める必要があるかもしれません。 私も気をつけなくっちゃ!(笑) To step up! マウンティングと会話泥棒は嫌われ者。 相手の話を最後まで聴くことで、自分にブレーキを! ※本稿は、『次につながる対話力「伝える」のプロがフリーランスで30年間やってきたこと』(SDP)の一部を再編集したものです。
木場弘子
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