前年より2万7千人減 巨大地震注意が影響、8月の白浜温泉の宿泊客数、和歌山
和歌山県白浜町の白浜温泉旅館協同組合に加盟する23施設の8月の宿泊者数は10万338人で、昨年同月と比べて2万6727人少なかった。書き入れ時の盆休み前、気象庁が南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)を発表したことで宿泊キャンセルが相次いだことが大きく影響した。町は、宿泊割引のクーポン発行や、バスツアーへの補助延長などの対策を講じる。 【白良浜の夏再開 「巨大地震注意」終了も夏の観光に打撃、和歌山の動画はこちら】 加盟施設は、盆休み期間中、予約でほとんど満室だったが、巨大地震注意発表後、キャンセルで半分以下に減った施設もあった。加盟施設全体で、5億円を超える損失があったという。8月後半に接近した台風10号の影響も大きかった。 組合によると、8月の宿泊者数は、統計が残る1961年以降で2番目に少なかった。最も少なかったのは、コロナ禍の2020年の9万6413人。 今年1~8月の宿泊者数は計64万9665人。昨年の同期間と比べて1264人増えている。 ■宿泊割引クーポン発行 町は、個人旅行などの誘客促進、地域観光の活性化などを目的に、宿泊割引のクーポン発行を決めた。対象期間は来年1月ごろから3月ごろまで。割引率は約20~30%。事業費は4千万円。 また、旅行業者に対する町内観光バスツアーへの補助金の期間を、来年1月末までとしていたが、3月31日までに延長する。事業費は550万円。 さらに町内へのスポーツ合宿の団体宿泊者に対し、町内で使用できる千円分の商品券を配布することも決めた。対象期間は11月ごろから来年2月ごろまで。事業費は300万円。 ■9月町議会が閉会 町議会9月定例会は、これら誘客促進事業費を盛り込んだ6080万円(補正後140億3600万円)の一般会計補正予算や議会発議「相次ぐ米軍構成員等による女性への性的暴行事件に抗議し断固とした対応を求める意見書」などを可決し、19日に閉会した。 意見書は、沖縄県内で米兵による女性に対する性的暴行事件が多発しているとし、米軍構成員等を特権的に扱う日米地位協定の抜本改定などを求める内容。提出先は内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣など。
紀伊民報