米下院委員会、中国の台湾侵攻想定で机上演習 専門家「米軍の支援まで1~2カ月」
(ワシントン中央社)米下院の「米国と中国共産党の戦略的競争に関する特別委員会」は20日、中国による台湾侵攻を想定した机上演習を行った。専門家は、両岸(台湾と中国)の衝突が始まっても米国はすぐには援軍を送れず、台湾は少なくとも1カ月、場合によっては2カ月は自前の兵力で戦う必要があるだろうとの見方を示した。 机上演習を合同で実施したシンクタンク、戦略国際問題研究所のマーク・カンシアン氏は、中国軍が台北に近い北部から侵攻して台湾の主力部隊と直接戦うか、比較的上陸しやすい南部から侵攻して北上するリスクを取るかは難しい選択だろうと言及。もし北部に侵攻した場合は台湾の強固な防衛線に直面し、台北周辺で大規模な戦闘が起こる可能性があるとした上で、中国が台北を攻略するのは難易度が高いと述べた。 一方で中国が南部から攻め入った場合は、米国と日本が協力して中国の戦力の要である揚陸艦を攻撃するため、中国にとっては港や空軍基地の奪取が重要となるだろうと説明。中国軍は米・日の攻撃から揚陸艦を守りつつ、十分な部隊を上陸させて港や空軍基地を奪わなければ、台湾に上陸済みの部隊を支援し続けられないだろうと指摘した。机上演習で米国と日本は多くの状況下でこの衝突に勝利したものの、非常に高い代償を払わなければならないとした。 (鍾佑貞/編集:田中宏樹)