次の箱根のエースは誰? 青学・折田壮太、順天堂大・玉目陸ら注目ルーキーが関東インカレで勢ぞろい
【自己ベスト出した中央大の岡田開成】 中央大にも勢いのあるルーキーが出てきた。 1部5000mで、岡田開成(1年)は、終始先頭集団でレースし、13分53秒32の自己ベストで6位入賞を果たした。 「先輩方についていくなか、最後まで自分のレースができたので良かったです。次に向けてひとつ収穫になったのかなと思います」 レースでは、ラストで一歩も引かない気持ちの強さを見せた。 「自分の強みは、高校時代からそうなんですけど、自分で積極的に仕掛けられること。先輩がいても遠慮せずにいけるところです」 レースは強気だが、普段の生活はまだ慣れている段階だという。洛南高校時代は実家からの通学だったが、今は寮で先輩と同部屋暮らし。選手によっては、生活環境に慣れるのに時間がかかるケースもあるが、岡田も少し戸惑うところがあるようだ。 「実家にいる時は親にいろいろやってもらっていたんですが、寮ではすべて自分でやらないといけないので大変です。寮内での1年生の仕事もあるので、練習しながらそれをこなしていくことも、これから慣れていかないといけないと思っています」 今回、結果を出したことで、生活に慣れる余裕も出てくるだろう。そうしてトラックにおける目標をクリアし、「秋の駅伝に繋げていきたい」と語る。 「5000mは13分30秒を切ること、10000mは、28分台一桁が目標です。ハーフは、まだ走ったことがないので、夏合宿で長い距離の感覚を掴んで挑戦していきたいと思っています。駅伝は、将来的には箱根で2区を走りたいですが、今年はまず往路区間を走るのが目標。流れを作り、勝負できる選手になりたいです」 トラックでも駅伝でも強い。岡田が目指す選手は、OBの吉居大和(トヨタ自動車)だ。
【今回最も注目された駒澤大の桑田駿介】 関東インカレで、今回最も注目されたルーキーは、桑田駿介(駒澤大)だろう。2部5000m予選を8位で通過、決勝では上級生を相手に強気の走りを見せ、13分49秒69の自己ベストで5位に入賞した。 「予選で3000m以降、相手に反応してついていくことができなかったので決勝ではついていく意識でいたんですけど、また離されて......。でも、最後まで粘って自己ベストを出せましたし、国立で満点に近い走りができたので良かったです」 レース後、朴訥とした雰囲気ながら丁寧に取材対応する様が初々しい。顔をくしゃっとさせた笑みは、OBの山下一貴によく似ている。体型や走りもなんとなく似ており、彼も愛されるキャラになりそうだ。 大学の寮では、佐藤圭汰(3年)と同部屋で、日本トップクラスの選手からいろんな刺激を受けているという。 「圭さんは、ケアや練習について常に考えていて、本当に意識が高いです。僕は、たまにSチームで練習したりするんですが、圭さん、篠原(倖太郎・4年)さんを始め、みなさん後半のペースアップに対応し、練習の目的を明確にしてこなしている。世界を狙う先輩たちを間近で見て、自分に取り入られることは吸収していきたいと思っています」 そういう環境にいるだけでは強くならないが、桑田は貪欲なのだろう。すでにいろんなことを吸収し、今回の結果にもその成果が表れ始めている。 「今の目標は、Sチームの先輩の篠原さんや圭さんに近づいて勝負できるようになること。タイムは、5000mが13分30秒台、10000mは27分台が目標です」 秋からは、駅伝シーズンになる。箱根はハーフの走力が求められるが、桑田はロングも問題なさそうだ。倉敷高校時代から距離を踏んでおり、月間700キロ、走っていた。 「駅伝は、走れるなら全部狙っていきたいです。箱根は、どの区間というのはないですけど、往路を走りたいです。2区は、ちょっと難しいかもしれないので、3区、4区あたりで(苦笑)」 駒澤大は、最強とも言われた4年生が今春卒業し、戦力ダウンが否めない。優勝を狙うには、「粘って走れるところが自分の強み」と語る桑田のように粘り強く長い距離を走れる存在が不可欠になる。彼が往路にハマれば優勝争いに食い込む戦略的なオーダーを組むことが可能になるだろう。 「4年間、トラックと駅伝の両方で頑張って、将来はマラソンでしっかり世界と戦っていくような選手になりたいです」 彼のポテンシャルを考えれば、大学時代にもそうなる可能性は十分にある。