ソフトバンク育成3年目の藤野恵音、春季キャンプで味わった悔しさと〝大役〟の経験を糧に成長目指す
◆記者コラム・タカ番24時 筑後での春季キャンプ最終日。「ここで満足することなく、やりきったと思うことなく、悔いのないように」。育成3年目の藤野恵音内野手(20)=福岡・戸畑高出身=が選手を代表してあいさつした。 ■「ちょっとジーン」森唯斗が甲斐拓也とハグ【写真】 キャンプはB組(2軍)スタート。春に宮崎で練習を始めるのは初めてだ。ただ第2クールを終えて筑後のC組(3、4軍)へ。球団から経験を積ませるためと説明されたが「最後まで宮崎にいるつもりだった。もう少しやれば良かったと悔いが残った」と語る。 昨年台湾ウインターリーグに初参加。結果は残せなかったが「いろんな球団の人と野球をして勉強になった」。本職の二遊間に加えて同リーグでは三塁も経験。キャンプでも奮闘した。結局B組に戻ることはなかったが「やるべきことはできた」と胸を張る。 藤野のあいさつは当日朝、斉藤4軍監督が指名。「泥くさいではないけど、彼なりに危機感を感じているはず。みんなの前で話すことで責任感や意識が変わってくれたらという期待感」と意図を明かす。 あいさつを考える時間は2時間ほど。藤野は練習の合間に周囲から助言ももらった。「人前で話すのは苦手で嫌だった。ただ、いい経験だと思ってやった」。あいさつの自己採点は「20点」。「B組から落ちた悔しさも話したかったのに(頭から)飛んでしまって…」と苦笑いした。 〝大役〟を果たした20歳。「今年は2軍で打率に加え、出塁率を意識する」。悔しさも糧に一皮むけた姿を見せるに違いない。(濱口妙華)
西日本新聞社