北朝鮮戦、痺れるゴールで歓喜を呼び込んだ田中碧。振り返れば、カタールW杯予選のオーストラリア戦でも…【コラム】
田中は守備でも貢献した
2024年3月21日、日本代表が北中米ワールドカップのアジア2次予選で北朝鮮代表と対戦。結果、1-0と勝利した。 【日本代表PHOTO】W杯予選・北朝鮮戦を翌日に控え、国立競技場でトレーニングを行った日本代表 この日、日本にいきなり歓喜を呼び込んだのは田中碧だ。開始直後、堂安律の折り返しを右足でジャストミートし、先制点を決めたのである。アジアカップのベスト8敗退で批判が強まり、苦戦も予想された北朝鮮戦でいきなり痺れるゴールを奪うあたりは素晴らしい。 その後、田中は守備でも貢献。30分、33分、さらに43分にピンチの芽を摘むなど危機察知力も存分に発揮した。組み立て時にスッと動いてボールをもらえる位置に立つセンスも含め、改めてボランチとして高いポテンシャルを示したと言えるだろう。 振り返れば、カタール。ワールドカップのアジア最終予選4戦目、オーストラリアとのホームゲームで日本に勢いをもたらしたのも田中だった。 スタメン抜擢に応える形で貴重な先制ゴールを奪い、その後も中盤をコントロール。気の利いたポジショニングとサポート、ボールを落ち着かせるタイミング、そのどれもが地味ながらも利いていた。後半こそ支配力を弱めたが、オーストラリア戦の救世主は間違いなく田中だった。 三笘薫や伊東純也といった主力の不在に加え、準備期間の少なさもあった北朝鮮戦だが、そうした不安がある中で大仕事をやってのけたのが田中だった。こうした選手は厳しい戦いを勝ち抜くうえで、不可欠な戦力だ。 取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)