歴史を感じる中山道ハイク。木曽・妻籠宿から馬籠峠を越えて、馬籠宿へ
江戸時代に整備された五街道の一つ、中山道(なかせんどう)。江戸の日本橋と京都の三条大橋を内陸経由で結ぶ街道で、「中仙道」とも記されます。今回は、前回紹介した奈良井宿と並んで江戸時代の面影が色濃く残る、木曽路の妻籠宿(つまごじゅく)から馬籠(まごめ)峠を越えて、馬籠宿へと下るルートをご紹介しましょう。
妻籠宿から男滝・女滝へ
妻籠宿は長野県南木曽町にあり、地域の方々の努力により保存されてきた町並みは、1976(昭和51)年に国の指定史跡「重要伝統的建造物群保存地区」に認定されました。約800mにわたって続く古きよき町並みには土産店や飲食店が点在し、楽しい散策となります。 妻籠宿と馬籠宿を結ぶ区間はなだらかな山道が続き、寄り道しても7km弱、所要時間約3時間なので、初心者向けにも歩きやすいハイキングルートです。 妻籠宿の町並みを抜け、町営第3駐車場の脇から蘭(あららぎ)川沿いに進み、静かな大妻籠の集落に出ます。大妻籠地区には民宿が点在し、こちらも保存地区になっています。 大妻籠集落を過ぎて車道を渡ると、なだらかな石畳の道が始まります。ところどころに熊除けの鐘が設置されているので、しっかり鳴らしていきましょう。
小さな集落を過ぎ、やがて沢にかかる橋を渡って左に進めば、男滝、女滝に到着です。どちらも歩道から間近にあり、ひとときの清涼感に癒される憩いの場所となっています。それぞれ流れ方が違うのが特徴的です。
男滝・女滝から馬籠宿へ
ひと息ついたあと階段を上がり、しばらくは車道歩きとなります。車の通行に注意しながら進みましょう。やがて橋が出てくるので、渡って山道へと入ります。しばらくして再び車道に出て、向かいにある石標から石畳の道を進みます。道中にある樹齢300年のサワラの大木を横目にさらに進んでいきます。 植林帯を抜けて周囲が開けてくれば、一石栃(いちこくとち)の番所跡に到着です。江戸の時期、良質な木曽の木材を守るために停止木(ちょうじぼく)制度が設けられ、特に利用価値の高い木曽五木(ヒノキ、サワラ、アスナロ、コウヤマキ、ネズコ)の伐採が禁止されました。貴重な木材が盗伐されないように、この一石栃番所で取り締まりが行なわれていたのです。番所跡のすぐ先には一石栃立場茶屋があるので、立ち寄っていきましょう。