決勝打許した巨人・菅野、「人生で味わったことのない悔しさ」と涙にじます 今オフ、メジャー挑戦で若手へ日本一の夢託す【CSクライマックス】
◇21日 「2024 JERA クライマックスシリーズ(CS) セ」ファイナルステージ第6戦 巨人2―3DeNA(東京ドーム) ◆巨人・阿部監督、DeNA・三浦監督たたえる握手【写真】 巨人は2012年以来となる、CSファイナル開幕3連敗からの3連勝はかなわずに終戦。レギュラーシーズンで8ゲーム差をつけた3位・DeNAに下克上をくらい、4年ぶりの日本シリーズ進出は果たせなかった。 沈着冷静なエースの目に涙がにじんだ。今季15勝で最多勝と最高勝率の2冠に輝いた菅野智之投手が、第2戦の先発から中3日で志願のリリーフ登板したが、9回2死三塁から牧に決勝打を浴びた。第2戦に続いて敗戦投手となって、CSが終わった。「人生で味わったことのない悔しさ。残念です。申し訳ない」と責任を背負った。 8回、G党からの割れんばかりの「菅野!」コールを背にマウンドへ。捕手はもちろん、「スガコババッテリー」として苦楽をともにしてきた同学年の小林だ。この回は最速152キロの直球を軸に三者凡退。圧倒的な投球で流れを引き寄せたかに思われた。 だが、勝利の女神は巨人にほほ笑まなかった。直後の攻撃で1死一、二塁の好機をつくるも無得点。球場のムードがやや重苦しくなる中、9回先頭の森敬へのスライダーがやや甘くなって右前打を浴び、相手打線を勢いづけてしまった。 牧には外角カットボールは厳しいコースに投じたが、紙一重で決勝打とされた。「最善の準備をしてマウンドに上がった。今日投げたボールに悔いはない」。全力を出し切れたという自負が唯一の救いとなった。 海外FA権を行使して今オフのメジャー挑戦を表明しており、これが日本最後のマウンドとなる可能性が高い。次代のエースを担う戸郷に「来年は頑張って」と、プロ12年間で一度も果たせなかった日本一の夢を託し、背番号18は次のステージへ挑む。
中日スポーツ