<独自>万博、会場に賓客優先ゲート、自主警備の人員を分散配置 VIP対応計画が判明
4月に開幕する2025年大阪・関西万博を訪れる国内外の賓客(VIP)について、万博を運営する日本国際博覧会協会による受け入れ計画が9日、判明した。VIPは王族や大統領、閣僚といった地位により「S」や「A」~「D」に分類。会場に「賓客優先ゲート」を設けるほか、自主警備の「協会警備隊」を分散配置して場内でのVIPの安全確保やスムーズな移動につなげる。 【表で見る】大阪・関西万博ではVIPの警備と接遇はランクに応じて実施 万博には海外の約160カ国・地域と9国際機関が参加する予定。協会は、会場の迎賓館に受け入れる海外VIPと同行者は05年の愛知万博と同じ2千人規模と見込む。海外のVIPを4段階、国内は皇族を加えて5段階にランク分けし、警察や外務省、大阪府市などと連携して警備、接遇の計画を策定している。 会場内に宿泊施設はなく、VIPは周辺のホテルなどに宿泊するか、関西国際空港から直接会場に向かい、そのまま大阪を離れるケースを想定。迎賓館や日本館で皇族や主催者のあいさつを受けた後、自国や関係先のパビリオンを訪問する。昼食を取るなどし、記念撮影を行って退場するのが基本的な流れとなる。 不安定さを増す国際情勢を踏まえて、政府はテロ対策を重視。国が負担する会場警備費を55億円増額し、255億円とした。警備体制はランクが高いほど厳重となる。VIPは会場南東の迎賓館などがあるエリアにある賓客優先ゲートから入場。ランクの高いVIPは場内を専用車で移動する。警察はドローンを飛ばして警備の死角を減らすなどの対策をとる。 大阪府警は昨年10月に約50人態勢の「万博警備対策室」を設置。会期中の警備には他府県警からの人員派遣を受ける。 協会も、自主警備体制として「協会警備隊」を設置する予定。人数を明らかにしていないが、会場警備やセキュリティーゲートの警備、雑踏警備などに人員を振り分ける。人員は民間警備会社などに発注する。 接遇については、協会と大阪府市が外務省の助言を受けながら、国際儀礼(プロトコル)に基づきランク分けに従って行う。国の大小に関係なく平等に扱い、大小で序列を決めないことなどが基本となる。(井上浩平)