妖艶なアウトラインは 徹底的な基礎の見直しから 初心者時代の誤った考えを改め劇的変化
基礎から教わることで蛹から蝶へと進化した
──間違いに気づいてから、どのように軌道修正をしたのですか? 廣中 人から教わり、しっかり復習することを繰り返しました。ボディメイクの軌道修正ができたのは、兵庫県にあるMAX GYMの木下喜樹先生に基礎を教えていただいたことが大きいと思います。初年度のオールジャパンで目をひいた選手がいて、その方が通っていたのがMAXGYMだったんです。その選手を通じて、大会の数日後に先生と会うことができました。最初は難しいトレーニングをさせられるのかな……と思っていたのですが、とにかく基礎ばっかりで。 ──基礎というのは? 廣中 トレーニングをするときの身体の使い方です。当時、一番弱いし苦手だったのが背中で、先生にフォームを見てもらったら「可動域が狭い」と言われました。つまり柔軟性がないということなのですが、言われたときは衝撃でした。トレーニングで可動域がとれていないとは思ってもみなかったので。先生から「腕で引くのではなく、背中で引く、肩甲骨を動かす」と指摘されても、最初は言葉の意味が分からなかったほど、身体のことについて無知でした。それでも、教えてもらった通りに身体を動かしてみたら、初めて背中に収縮がかかる体験をしたんです。ロウイングではこんなに反らさなきゃいけないんだ、といったような基本中の基本をひたすら反復しました。 ──初心者のうちに基盤を整えておくと、ボディメイクがスムーズになりそうです。実際、身体の反応はどうでしたか? 廣中 背中・お尻の上部・脚の上部など自分でトレーニングしていても筋肉痛になったことのない部位にしっかり痛みがくるようになりました。今まで自分は「基礎ができていると思い込んでいた」ことを痛感したんです。でも、これは教わらないと気付けません。同時に人から学ぶことの重要性を身に染みて感じましたね。筋肉がパーツパーツで細かく分かれていることも知らなかったので、トレーニングと同時進行で筋肉の勉強をするようになりました。先生が筋肉の名称を言ってくれるんですが、どこについているのか分からないと上手く効かせられなくて。今日先生が言っていた大円筋って、ここにあるんだ!とか、この筋肉に効かせていたのか!と、点と点が繋がるようになって、筋トレの面白さを感じるようになりました。 ──テクニックよりも先に基本的な知識を身につけることで、相乗効果がより高まりそうですね。 廣中 ただ、どうしても左右差がなくならなくて……。特にサイドポーズを取ったときの回旋のしにくさや、大円筋の広がりの差がありました。これはトレーニングでどうにかできるものではない、骨格の歪みが問題だろうと思い、去年東京へ行った時にコンディショニングの先生にいろいろ教えてもらいました。 ──ボディメイク=トレーニングという狭い視野で見るのではなく、骨格などの広い視野で課題を見ることも大切なんですね。どんなことを教わったのか、気になります! 廣中 普段からウエストを細くするためにシェイパーをしているんですが、安井友梨選手みたいにどんどん細くならない。そのことを相談したら、呼吸や姿勢に問題があることを指摘されました。「背中に空気を入れられるようになって」と言われた時は、何だそれ!と思いましたね(笑)。今は、骨盤の歪みを治すための呼吸エクササイズも普段のトレーニングとセットで取り入れています。