<眠れる森>木村拓哉“直季”の本当の想いが明らかに…中山美穂“実那子”とのベランダ越しのキャッチボールもグッとくる
FOD・TVerで開催中の「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」にピックアップされ順次無料公開がスタートしたことで今また注目を集めている中山美穂&木村拓哉主演ドラマ「眠れる森」(1998年、フジテレビ系)。20日(日)まで無料配信中の5話では、実那子(中山)の記憶に関する真実が明らかになる展開が描かれている。(以下、作品の重大なネタバレを含みます) 【写真】「眠れる森」から26年…今年は“金髪シェフ姿”を披露した木村拓哉 ■実那子が自分の思い出だと思っていたものは、実は… 「眠れる森」は、3カ月後に結婚を控えた実那子が故郷の森で謎めいた青年・直季(木村)と出会ったことから始まるミステリー。 直季は実那子のことを15年前から知っているといい、実那子につきまとっては「実那子は俺の一部なんだ」「もっと憎めば?そのうち俺のことどうしようもなく好きになるから」と不気味なことを口にする。 直季と話せば話すほど、直季の記憶と自分の記憶が似ていることに気づく実那子。不自然さを感じた実那子は、婚約者の輝一郎(仲村トオル)と共にもう一度“眠れる森”に向かい、そこで出会った伊藤直巳(夏八木勲)という人物に自分の記憶にまつわる驚きの事実を聞く。 直巳によると、15年前、殺人事件のおぞましい記憶に苦しむ実那子が叔父に連れられて直巳の元を訪れ、直巳は当時12歳だった彼女に“記憶の埋め込み”を施したという。 ■「私の記憶は、あなたのだったのね」 とはいえ、埋め込む記憶にリアリティがなければ、実那子を長期間信じさせることはできない。直巳が実那子に埋め込んだのは、直巳の息子・直季から聞いた記憶だった。 「私の記憶は、あなたのだったのね」――。実那子と直季の記憶が酷似している謎が解け、直季が実那子に付きまとう理由もわかり、ストーリーが大きく動いた第5話。 だが、一家惨殺事件の犯人・国府吉春(陣内孝則)の狙いがわからない。もし、犯人が国府ではなかったなら…。実那子は不安を募らせ、17日に無料配信がスタートした第6話では、仮出所したまま行方をくらました吉春を直季と輝一郎がそれぞれ追う回が描かれる。 直季の記憶を実那子に“埋め込む”という、四半世紀を経た今見ても斬新な展開に、今回初めて視聴する視聴者からは驚きの声が、すでに結末まで知っている視聴者からも「放送当時本当に面白くて、毎週楽しみにしてた」「こんな作品はほかにない」「記憶を消してもう一回見たい!」の声が上がる人気ぶりだ。 ■味わい深い名シーン「ベランダ越しのキャッチボール」 第5話では、向かい合ったアパートに住む直季と実那子がベランダ越しにボールを投げ合うシーンも登場する。 実那子が自分の記憶だと思っていたキャッチボールの思い出は、直巳がリアリティある記憶だと思って実那子に埋め込んだものであり、さらに、父・直巳と遊んでほしかった子どもの頃の直季が思い描いた“実在しない記憶”でもあった。しかも、“記憶の埋め込み”によって消された12歳の実那子自身の本物の記憶でもあるのだ。 直季の願望が作り出したイメージが、実那子の頭の中で“本物”を押しのけ、実際にあった出来事かのようにふるまっていた。記憶とは、いったい何なのか…。何重にも張り巡らされた伏線が重なり合いながらうっすらと見え隠れする、“記憶”をテーマにした本作を象徴するようなシーンだ。 映像は引いた視点から撮影されていて、実那子がいるベランダに向かって木村が実際にボールを投げているのがわかる。木村といえば「ロングバケーション」(1996年)で見せた窓辺でのスーパーボールのシーンが有名だが、その2年半後に放送された「眠れる森」のこのベランダ越しのキャッチボールも、込められた意味を知れば知るほど味わいが増す名シーンだ。 「#ドラ活 浸れ、超自分的ドラマ生活。」では人気ドラマを順次、FOD・TVerにて無料公開中。10月は「眠れる森」のほか、反町隆史と竹野内豊がダブル主演を務めた「ビーチボーイズ」(1997年)、小栗旬主演の“月9”「東京DOGS」(2009年)、 相葉雅紀主演の医療ドラマ「ラストホープ」(2013年)など各年代の人気作がラインナップされている。