番記者のちょっといい話 ヤクルト・小川、石川からの言葉が道しるべに
(セ・リーグ、阪神2-8ヤクルト、4回戦、2勝2敗、26日、甲子園)開幕前にチームを離れるというヤクルト・小川の決断は、決して簡単ではなかったはず。ただ、「ズルズル長引くのが一番迷惑がかかるし、そこは自分で判断した」とリハビリ組に加わることを自らの口でスタッフに伝えた。決断の裏には、過去の教訓があった。2017年10月。疲労骨折で右肘にメスを入れた。「あのときはずっと我慢して投げていたから、負荷がかかって骨折までなってしまった」と今でもその反省は忘れない。 開幕1カ月を切った中で始まったリハビリ生活。苦楽をともにしてきた通算185勝の先輩左腕・石川からの言葉が道しるべとなった。 「ライアンはチームの柱だし、焦らず、戻ってから何試合投げられるかが大事だからな」 早期復帰よりも進化して復帰する。自分が進む道がくっきりと見えた。「落ち込んでいる暇はないなと。チームに戻ってから、離脱しないようにと思った。そのための期間だとプラスに捉えて、無駄なことは絶対にないと思ってやっていた。どう良くしていくか。前の自分よりもね」。勇気ある決断と44歳の先輩の言葉でたどり着いた1勝目だった。(ヤクルト担当キャップ・赤尾裕希)