松本穂香が「犬こそ、この世で一番清らかな生き物」と考える“やさしい理由”
数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、フランス映画界の巨匠が実際の事件に着想を得て制作したというアクション映画『DOGMAN ドッグマン』について語ります。 【画像】可愛くて、頼りになる『DOGMAN ドッグマン』に登場するワンコ
「犬はこの世で一番清らかな生き物」だと再認識
今回、わたしがご紹介させていただく映画は『レオン』や『LUCY/ルーシー』などを手がけたリュック・ベッソン監督の最新作『DOGMAN ドッグマン』です。 いや~めっちゃ好き~。「ドッグマン」という題名通り、わんこ盛りだくさん映画でした。「犬スキやし!」ぐらいの気持ちで観させていただいたのですが、こちらの予想を裏切る涙ぽろぽろ映画でした。(もちろんワンLOVEの気持ちも満たしてくれる) 犬好きとしてはやっぱり、わんこって可愛くてかっこよくて賢くって純粋で愛情深くて、この世で一番清らかな生き物だなぁと改めて思わせてくれる映画でありつつ、最後に残るのは人間という動物の生き方についてでした。
不幸であっても、孤独ではない男の生き様
主人公のダグラスはハッキリ言って不幸です。家庭環境は最悪だし、体も健康とはいえず、好きな人と結ばれた経験もない。 彼は紛れもなく不幸だったけれど、だけどどうしても孤独だとは思えませんでした。厳しすぎるこの世の中で、自分であることを決して諦めなかったのです。 生きることの残酷さや悲しみから逃げるのではなく、真正面から受け止めているように見えました。 彼の中にはいつも楽しそうに料理をする母親がいたし、キラキラ輝く初恋の人がいて、もちろん可愛いワンちゃんたちがいた。本当の孤独は何の優しさにも触れず、人生の楽しさも知らず、自分を捨て、消えていくことなのかもしれません。
強くないからこそ人間は生き物と寄り添い合う
思い出の中に優しさがある限り、人は本当の意味で孤独にはならないんじゃないかと、ダグラスを通して感じました。彼は孤独ではなかったし、精いっぱい生きる強さを持っていたけれど、それと同じぐらいの悲しみを抱えて生きていました。 人間ってみんなそんなに強くないよね。って、だから犬だったり猫だったり、そういうまっすぐな愛を持った存在に助けられてるんだよなぁって。 この世のすべてのイヌネコその他もろもろの可愛い生き物たち、「本当にありがとう」の気持ちでいっぱいです。 わんちゃん一匹一匹に賞をあげたいぐらいの名演技(特にコーギーちゃんが可愛すぎた!)でした。主人公を演じたケイレブ・ランドリー・ジョーンズさんも超最高! 超超オススメ映画です! 映画館でぜひ ●『DOGMAN ドッグマン』 配給/クロックワークス 新宿バルト9ほか全国公開中 ©Photo: Shanna Besson - 2023 ― LBP ― EuropaCorp ― TF1 Films Production ― All Rights Reserved. 【松本穂香】 1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。4月スタートのドラマ『95』、5月公開の映画『鬼平犯科帳 血闘』、7月から始まる舞台『ふくすけ2024 -歌舞伎町黙示録-』に出演予定。松本も参加した「私が撮りたかった女優展vol.5」が3/16~3/26で開催
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