ＭＬＢのみならず今年のスポーツシーンを席巻した大谷

　ドジャースの大谷翔平投手（30）がまた偉業達成だ。神様に並んだのだ。AP通信は23日（日本時間24日）に「今年の最優秀男性アスリート」を発表し、大谷が2021年、23年に続き3度目の受賞となった。NBAシカゴ・ブルズなどで活躍し、神様と呼ばれたマイケル・ジョーダンに並んだ。NBAレイカーズのレブロン・ジェームズ、ゴルフのタイガー・ウッズ、自転車のランス・アームストロングの歴代最多4度にあと1つに迫った。 　大谷はドジャース1年目の今季、史上初の「50―50（54本塁打―59盗塁）」を達成し、本塁打と打点でナ・リーグ2冠に輝き、2年連続、DH専任では史上初のMVPを3度目の満票で受賞。悲願のワールドシリーズ制覇を達成した。AP通信とその加盟団体に所属する74人の記者の投票で48票を獲得。2位はパリ五輪の水泳で金メダルを4個獲得したフランスのマルシャンが10票、3位はマスターズを制し、パリ五輪で金メダルを獲得したプロゴルファーのシェフラーが9票と圧勝だった。 　ちなみに昨年は大谷は20票でサッカーのメッシとテニスのジョコビッチが16票の大接戦だった。 　AP通信による受賞インタビューで大谷は通訳のマット・ヒダカ氏を介し「（受賞できて）とても光栄です。明らかにこれまでの努力が報われました。来年も、この賞を受賞できたらいいなと思います」と喜びを口にした。「日本でマイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズを見ながら育ちました。彼らが米国で称賛され、成功しているのを見ていました」 　受賞理由にナ・リーグMVP受賞や「50―50」が挙げられたが、大谷が意識していたのはドジャースのシーズン記録の49本塁打だったことを明かした。「その境界線を越えたいと思っていました。その記録を破ることができたのはうれしい驚きでした」 　また、シーズン終了後に受けた左肩の手術の経過についても「まだ完全に動くわけではないが、だいぶ良くなったと感じています。痛みはない。もちろんまだ少し張りがありますが、ゆっくりでも確実に良くなってきています」と順調に回復していると説明。「ゆっくりとペースを上げていきたい」と語った。現在は70マイル（約120キロ前後）台でキャッチボールしているという。 　来季は投手に復帰予定のため、ドジャースの来季の先発ローテーションについても聞かれた。 「今季多くの場面であったようにブルペンを含めた5人ローテでいくかもしれないし、6人ローテになるかもしれない。しかし、大事なのは休みと回復のバランスを取ること。プレーオフを目指す中で、それが僕たちをどこに導いてくれるか。当然、僕は自分のペースを守らなければなりませんが、僕らがどうすればいいか、その時の状況が、導いてくれるでしょう」 　日本、米国だけではなく世界中の野球ファンに注目されている来年3月の日本開幕戦には間に合うのか。「僕の個人的な目標は、開幕戦が始まるまでに完全に健康になることです。投球と打撃ができれば最高ですが、その時になってみないと分からないかなと思います」。打者のみの凱旋になりそうだ。 　3度目の同賞受賞で、歴史的な1年に花を添えた大谷。来季は投打二刀流で1998～2000年のヤンキース以来の世界一連覇を目指す。今季の自分自身を超えることができるか。楽しみだ。