タブー、予算、国境――俳優の伊藤健太郎が越えたい壁とは?“ツキ”を引き寄せるために大事にしている習慣も
日本の俳優の活躍が、業界の発展につながる
――今後、伊藤さんが俳優として飛び越えたい壁はありますか? 伊藤 やっぱり、世界の壁を飛び越えたい気持ちがありますね。体格や言葉の壁はありますが、最近は同世代の中でも海外の作品に出演する俳優が増えているので、めちゃくちゃ刺激をもらっています。新田真剣佑さんは『ONE PIECE』のお芝居が評価されていますし、すごいですよね。僕も海外で仕事をすることで俳優として視野を広げてみたいなと。まずは英語の勉強を頑張らないと! ――伊藤さん世代の俳優が世界で注目を集めれば、日本のドラマや映画にも注目が集まって、業界全体が盛り上がる可能性もありますよね。 伊藤 それが究極の目標ですよね。昨年は日本発の映画『ゴジラ-1.0』がアメリカで大ヒットしましたが、僕が聞いた話では、現地では「低予算とは思えない作品のクオリティ」が称賛されているみたいで……。日本で俳優をしていると、製作費が22億円と聞いたら「すごいな」と思ってしまいますが、ハリウッド基準では低予算なんですよね。個人的に、その事実が衝撃で。日本の作品がもっと世界から注目を集めることができれば、もっと良質な作品が生まれるかもしれません。そのためには、僕たち俳優がどんどん海外に出てグローバルスタンダードのスキルを身につけることが大事だと思っています。
仕事の悩みに向き合えることは、贅沢なこと
――大きなチャンスを引き寄せるためには、才能だけでなく運も必要だと思います。伊藤さんが『インシデンツ2』で演じた綿貫小次郎は“ついてない男”でしたが、ご自身の運勢をどのように捉えていますか? 伊藤 僕、結構“ついている”とは思います。人や作品との出会いに恵まれていると実感しているので、それは運が良い証拠なのかなと。 ――良い縁を引き寄せるために心がけていることはありますか? 伊藤 強いて言うなら、ネガティブにならないことを意識しています。仕事をしていると自分の思い通りにいかない瞬間も多いですが、僕が落ち込んでいると周囲の人たちにもネガティブなパワーが伝染してしまうし、表に立たせてもらう俳優がそんな様子だと巻き込まれる人も多いですよね。だから、いつでも仕事を前向きに楽しむことを忘れないようにしています。