『となりの妖怪さん』静岡に聖地巡礼! ぶちおが行った和菓子屋、道の駅、神社を巡る
■実は妖怪を信じていない!? コミック3巻P38、アニメ第7話に登場する串カツ屋「くまた」。noho先生とPiiの取材は、ぶちおや百合、ベトベトサンが食事をした奥にある座敷で行われた。 ――今日が初対面とのこと。インタビュー前もお話が盛り上がっていましたが、実際にお会いした印象をお聞かせください。 Pii:イメージ通りでした! アイコンに描かれているイラストのイメージ通りですごく似ていらっしゃるなって。 noho:よく言われます(笑)。私はPiiさんのYouTubeも拝見していて。優しい雰囲気の方だなと思っていました。イメージ通りだったので、楽しく対談できそうでホッとしています。 ーー主題歌を書き下ろすために実際に静岡へ足を運ばれたそうですが、印象深い場所や思い出に残っている場所はありますか? Pii:1巻のあとがきに出ていた場所をいろいろ調べて遠州の森町まで行きました。小國神社なども巡って。空気が澄んでいてとても綺麗で気持ちよかったです。実際に神社の川に足を入れたりもして。「となりの妖怪さん」の世界に入り込めるきっかけになった気がします。タクシーの運転手さんが妖怪さんみたいに見える、そんな場所でした(笑)。漫画を読んだ人、アニメを観た人はみんな行きたくなると思います。 noho:すごくうれしいです。地元で自分に馴染んでいる場所なので、漫画の中に登場させるのは必然だったのですが、漫画を読んで「行きたいな」と思ってくれるのは、何だか地元に貢献している感じがしてうれしいです。描いているときはそんなつもりはなかったけれど、結果、漫画を読んで聖地巡礼したくなったり、Piiさんのように実際にしてくださった人がいるというのは、ちょっといいことをしたような気分になります(笑)。 Pii:私の母はアニメ第1話を観て「又一庵」のお菓子をお取り寄せしてました! noho:売り上げに貢献できたかな。 Pii: 確実にしていますね。 ーーレコーディングで心がけたことはありますか? Pii:優しい世界観にしたかったので、強さを出しすぎずに、自分の中にある母性のような大きい愛情を意識しながら歌いました。オケの中にシタール(北インド発祥の弦楽器。民族楽器)を使ってちょっと妖怪っぽい音も入れています。漫画でイメージを膨らませて作った楽曲が、アニメの世界で動く映像と一緒になって、曲そのものも大きく広がっていった感じがしました。すごく気に入っています。 noho:楽曲を聴いたときに、風が吹くような印象がありました。曲を聞いて感じた風の吹く様子が、アニメーションでも表現されていて、アニメと音楽が融合した瞬間、究極合体!みたいに感じたのを覚えています。アニメが始まる、というワクワク感があってすごく素敵なオープニングで大好きです。 ーー漫画に登場させる場所の選び方、ポイントはあるんでしょうか? noho:キャラクターたちが行きそうな場所を選んでいます。舞台のモデルになっている地域の中で、みんなが行きそうな場所を思い浮かべたりして。例えばみんなで行くなら串カツ屋さんがいいな、どんな串カツ屋さんがいいかなと探したりして。「道の駅 潮見坂」も、行ったことのある場所でドライブ感が欲しくなったときに思いつきました。海も見えるし、足湯もできるし、晴れたらとても綺麗な場所でおすすめです。 ーーお気に入りのキャラクターやシーンを教えてください。 Pii:アニメの第1話でジローさんと睦実がおいなりさんを作るシーン。2個お供えしたおいなりさんが1個になるシーンがすごく好きです。神様はいつも見てるんだよ、っていうところ。母とLINEで盛り上がりました。キャラはベトベトサンが好きです。めっちゃいいこと言いますよね。ぶちおが悩んでいるときに「本質は自分で見つけなければならない」って諭したり、夕暮れどきの虚数の話とか、すごく達観しているなって。体はあんなちっちゃいのに、でっかい男だなーって思いながら観ています。 ーーPiiさんは楽曲作りのために漫画の聖地に足を運んだとのことですが、普段からお二人は聖地巡礼をすることはあるのでしょうか? noho:行ってみたいと思っているのですが、まだやったことはないです。作品に登場するシーンと同じ画角で写真を撮ってみたりしたいですね。「ここ行ったぜ!」って感じで(笑)。作品の雰囲気を味わいたい気持ちはあります。私の場合は、まずおいしいものありきなので、おいしそうなものが出てくる作品で巡ってみたいです。 Pii: 実は聖地巡礼をするのは今回が初めて。妖怪さんたちの仲間に入りたい、作品の世界観に入り込みたいという気持ちになって。一緒の世界で生きてみたい、近づきたいという気持ちはあっても、なかなか行くことはなかったのですが、今回はその気持ちがすごく強くて気づいたら足を運んでいました。そのくらい惹かれた作品です。 ーーXで投稿キャンペーンを行った「#みてみて妖怪さん」。お二人にとって妖怪とは? noho:ちょっとがっかりされるかもしれないのですが、私は妖怪や幽霊を信じていないタイプなんです。 Pii:え? 意外です! noho:でも作品を描くにあたって、この地に伝わる天狗の話が多いことを知って。連載が始まるときには「見守ってください」と袋井の可睡斎にお参りに行きました。「となりの妖怪さん」を描きながら、いろいろと知っていった感じです。 Pii:私は昔バイトしていたお直し屋さんに、90度くらい腰の曲がったおじいさんがいたのですが、ジャケットのお直しがめちゃくちゃ上手で。それこそ「となりの妖怪さん」に出てきそうな感じの人でした。私は神社仏閣が大好きなので、参拝はよく行きます。気持ちが疲れたときは、神社の鳥居をくぐるようにしています。気持ちが浄化される感じがするので、以前は毎月1日、近所にあるお気に入りの神社で参拝していました。 noho:リフレッシュできますよね。私の場合は、おいしいものを食べることが一番のリフレッシュです。最近、料理にハマっています。何を作ろうかなと考えるのがスイッチングになって、いい気分転換になっています。 ――最近作ったものでおいしくできたメニューは? noho:たけのこの煮物です。親戚の家の近くに山があって、たけのこが採れるんです。今年は特に出来がいいらしく、大きいたけのこをいただきました。丸太に見えるくらい大きなたけのこでびっくりしたくらい(笑)。下処理は母にしてもらったので、私は煮ただけですが、すごくおいしくできました。 Pii:たけのこ採り、いいですね! noho:小さい頃は、祖母と一緒にしいたけも採りによく行ってました。 Pii:楽しそう! 何か一緒に採りに行って、料理して、おしゃべりしながら食べたいですね。下処理はすべて先生のお母さんにお願いして(笑)。 noho:いいですね、ぜひ! テレビアニメ『となりの妖怪さん』は、ABCテレビ・テレビ朝日系列全国24局ネットで放送中だ。