カナダ2回連続の大幅利下げ、市場の織り込み後退-インフレ上振れ
(ブルームバーグ): カナダのインフレ率が上振れしたことで、カナダ銀行(中央銀行)が10月に続き、12月にも2回連続で50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の大幅利下げを行うとの見方が後退した。
19日発表された10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2%上昇。伸びは前月の1.6%上昇から加速するとともに、市場予想の1.9%を若干上回った。
さらに中銀が重視する2つのコアインフレ指標も伸びが拡大。前年比上昇率は平均で前月の2.35%から2.55%に加速し、予想を上回った。ブルームバーグの算出によると、これらの指標の3カ月移動平均は年率換算で、9月の2.1%上昇から2.8%上昇に加速した。
発表を受け、翌日物オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では2回連続での50bp利下げの織り込みが発表前のほぼ五分五分から3分の1程度まで後退した。一方、カナダドルは対米ドルで一時0.3%上昇した。
総合CPIの伸びが5カ月ぶりに加速したことで、緩やかなペースで利下げを進めるべきだとの根拠を強める可能性がある。カナダ中銀は次回、12月11日に年内最後の金融政策会合を開催する。
原題:Traders Trim Big Canada Rate Cut Bets After Inflation Uptick (1)(抜粋)
--取材協力:Erik Hertzberg、Jay Zhao-Murray、Anya Andrianova.
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Randy Thanthong-Knight