<春よ光れ>’21センバツ・神戸国際大付/2 接戦勝ちきり自信に /兵庫
新チーム発足から1カ月後の2020年9月12日に開幕した秋季県大会は、厳しい戦いが続いた。 神戸第一との2回戦は打線がつながらず、1―1で迎えた延長十二回裏、1死満塁で1番・関悠人選手(2年)がサヨナラスクイズを決めて辛勝。目指していた「長打で魅する野球」にはほど遠い試合内容だった。西川侑志主将(2年)は仲間に「甘い球を見逃さないようにしよう」とチームが目指す方向性を示した。選手たちは練習で追い込まれた場面を想定してバットを振り続けた。 3回戦の社戦は、先発の中辻優斗投手(1年)が連打を浴び、1アウトも取れずに2失点で降板した。「気にするな。すぐに逆転する」とエースの阪上翔也投手(2年)が励ましたが0―2のまま、最終回を迎えた。 九回表、相手のエラーなどで2死二、三塁となり、打席に入ったのは代打の夜久彪真選手(同)。「一球で仕留める」との気持ちでバットを振って二塁打で2点を取り、土壇場で追いついた。延長十三回タイブレーク、1死満塁のチャンスで武本琉聖選手(2年)がインコースの直球を引っ張った。打球はライトの頭を越え、2点を追加した。2回戦で結果が残せなかった武本選手は「どんな球が来ても打ち返そうと食らいついた」と振り返る。四回から登板した阪上投手も2安打15奪三振の好投で逆転勝利を呼び込んだ。 接戦を連続で制したチームは勢いに乗った。準々決勝の神戸弘陵戦は武本選手の本塁打もあり、6-1で勝利。準決勝の神戸村野工戦は6番で出場した夜久選手の本塁打など13安打で圧倒した。 決勝の東播磨戦は、阪上投手が7安打を打たれながらも、要所を最速145キロの直球で切り抜けて完封。西川主将の活躍もあり2―0で勝利し、4年ぶり7回目の優勝を決めた。「苦しい戦いだったが、強豪との接戦を勝ちきり、自信がついた」と話す西川主将。チーム力の向上を感じていた。【中田敦子】=つづく 〔神戸版〕