SKE48荒井優希「プロレスをしたいからSKE48を捨てるのではない」プロレス専念への覚悟
東京女子プロレスの1・4後楽園ホール大会でタイトルマッチを行うインターナショナル・プリンセス王者のSKE48・荒井優希(26)が自身の持つ最多防衛記録を更新する7度目の防衛を目指す。来年3月をもってアイドルを卒業することを発表しており、プロレス一本で勝負していく決意を明かした。 チャンピオンとして過ごしたことが自信を深めていた。防衛を果たせば1年間ベルトを守り切ったことになる。荒井は「1年間(ベルトを)持っていたという実感がなくて本当にあっという間だった」と振り返り、「防衛してきた数字としても自分にとってすごい自信になった。このベルトとまだまだ先に進みたい」と意気込んだ。 21年から参戦してきたプロレス。アイドルとの“二刀流”として注目を浴びてきたが、SKE48の卒業後はプロレス一本に専念することを今月発表した。 これまで荒井は、リングに上がることで異業界に互いを周知できる役目も自覚しながら進んできた。「両方をやるからこそ、SKE48でプロレスをやるから意味があったと思う。でもその状態でやれることはもうやり切った」 今回の挑戦者・鈴芽(26)の姿からも“二刀流”という状態を考えさせられた。「(鈴芽は)プロレスに対して、ものすごく真っすぐに向き合っている印象があった。それがすごくうらやましくて、自分からはすごくキラキラして見えている」と言い、「自分は時間が(プロレスとSKE48の)半々になっている気がした。もちろんその中で頑張ってはいるけど、何ができているのかなと思うところもあった。プロレスが好きで、東京女子プロレスに入った鈴芽さんとは、かなり違うなって。そういった意味ですごく輝いて見えます」と明かした。 ただ、葛藤を抱えながらもアイドルが原点であることは揺るがない。「プロレスをやるためにSKE48を辞めるというのは違う。本当にこれは運命。タイミングでそうなった。プロレスをしたいからSKE48を捨てるのではない。アイドルをやり切ったけど、プロレスはまだやりたいということ」と思いを強調した。 格闘技どころか、本格的なスポーツ経験さえない状態からテレビドラマの企画をきっかけに参戦したプロレス。「当初はマット運動で倒立どころか後転もできなかった」と苦笑いしつつ、「当時はすでにグループに加入して8年以上たって慣れていた。だからプロレスで自分にできないことがある状態が新鮮だった。SKE48という世界でしか生きてこなかったので一歩外に出た時にこんなにいろんなことがあるのか」と、のめり込んだ。 さらにプロレスに救われたこともあった。「身長が高いとか、口や目が大きいとか、表情が分かりやすいということがポジティブな方に全部変わってくれた。見てくれている方に全部を肯定してもらえた気がした」。アイドルとしてはコンプレックスだったことも気にする必要がなくなった。 アイドルのセカンドキャリアとしても特殊な道へ進む。だからこそSKE48の後輩たちにも伝えたいことがある。「最初は正解か分からなくても正解にできる。(アイドルがプロレスをやることを)よく思われない方とかいっぱいいたけど、そういうのが悔しくて頑張れた。自分次第で正解にできる。迷わずやりたいことをやってほしい」。荒井が防衛を果たし輝く姿を見せ続ける。 ◆荒井優希(あらい・ゆき)1998年5月7日生まれ。京都府出身。2013年にAKBグループドラフト会議でSKE48チームK2から指名を受け加入。選抜総選挙の最高位は2018年の28位。21年5月からプロレスに本格参入。同12月に「2021年度プロレス大賞」で新人賞を受賞。身長166・7センチ。