ザギトワ惨敗と4回転ジュニア世代表彰台独占のロシア選手権の衝撃に海外メディアも驚愕
5位に終わったザギトワについては「平昌五輪の金メダリストは力強いショートプログラム(SP)の後、ロシア女王のタイトルを維持するように見えていた。ただ彼女には、若いライバルたちの持つ4回転ジャンプがないため、各要素を確実にこなすことが重要だった。しかし、彼女は最初の4回のジャンプのうち2度転倒して大きな代償を負った」と、ミスが敗因だと分析した。そして「ザギトワは世界選手権でグランプリ・ファイナルを優勝した紀平梨花との再戦が組まれるかもしれない。紀平は練習で4回転ジャンプを見せている、一方で、ザギトワは、来シーズンからシニアに加わる天賦の技術に恵まれた練習パートナーたちに追いつくため、努力を重ねる必要があることを理解している」とも続けた。 またSPで14位と出遅れたエフゲニア・メドベージェワがフリーで7位に浮上したことについては、「24時間で異なる姿で氷上に立った確かな証拠があった。2度世界選手権を制した19歳は、前向きな雰囲気と声援を背にフリースケートで金曜日から大きな進歩を遂げ、立ち直りを見せた」と評価。 「メドベージェワは3回転トゥループに入る2回転アクセルで転倒したが、3回転サルコウ―3回転ループ、3回転フリップ―2回転トゥループ―2回転トゥループのコンビネーションを成功させた。彼女は、多岐に富む難しいルーティーンで素晴らしい演技を見せた」とレポートした。 ただ メドベージェワの欧州選手権、世界選手権の出場は無理だと推測。「メドベージェワにとってフリーの内容は前向きな一歩となったが、ロシア選手の序列に入ってくる驚異の次世代選手と競うため、演技力をもっと引き上げなければならないだろう」と、今後の課題について記した。 NBCスポーツは、「ザギトワとメドベージェワがロシア選手権で14歳選手に敗れる」との見出しを取り、「14歳の2人が疑いなくフィギュア界で最も競争の激しいロシア選手権で五輪金メダル、銀メダル選手を破った」と伝えた。 記事は「優勝したシェルバコワと2位のトルソワはともに世界の女子シニアのトップ選手が誰も成し遂げていない4回転ルッツを成功させた」と4回転に注目。同メディアも表彰台に上がった3人が、年齢制限で欧州選手権、世界選手権の出場資格がないため、ザギトワ、コンスタンチノワ、そして今大会は肺炎で欠場したが、2015年の世界選手権覇者でグランプリシリーズでは好成績を残しているエリザヴェータ・トゥクタミシェワの3人が代表の有力候補だと推測。欧州選手権の後にロシア代表が決まる世界選手権代表に関しては、「メドベージェワや、グランプリシリーズで彼女を上回り今回、順位が1つ上だったソフィア・サモデュロワも選ばれる可能性は残っている」と続けた。 そして「ザギトワが欧州選手権、世界選手権で優勝するだろう」と金メダリストの逆襲を予想した。 記事は、2015年から2017年にかけて無敗だったメドベージェワが、1年以上も優勝していないことについても触れ、「2017年に足を骨折して以来、5つの国際大会で、彼女は、すべて2位、3位、4位だった。新コーチとなったブライアン・オーサー氏が、新たなスター選手の教え子に技術面を変更して忍耐を求めているなか、今シーズンは4度の大会で、いずれも転倒した」と、スランプから抜け出せていない状況を説明した。 ロシア選手権の衝撃は世界のメディアにとってもインパクトの強い結果だったようだ。