威圧的なバイトリーダーに他のバイトから苦情、店長が注意しても「心を入れ替えます」…放置のリスクは
●放置すれば、店長が賠償責任問われる可能性も
――このバイトリーダーが勤務態度を改善せずに、スタッフたちの不安や不満を放置した場合、店長に法的な問題は生じる可能性はありますか。 場合によっては、店長が賠償責任を問われる可能性もあります。 店長として、バイトリーダーの問題点に気づいていたにもかかわらず、この問題点を放置することにより、他の社員の士気や職場秩序を乱し、業務に支障が出ているということで、職場環境配慮義務違反に問われるリスクがあるためです。 上司がこのような対応をせず問題社員を放置したことにより、他の社員が精神的苦痛や何らかの損害を主張してきた場合、上司ひいては会社がその損害を賠償することにもなりかねませんので、問題社員への対応は迅速に行うことが肝要です。 なお、現実的に、上司の中には、注意指導をしてトラブルになるよりも、問題社員を放置したまま異動等を待った方が楽なので、注意指導を怠る方も散見されます。 このような上司を出さないようにするため、会社としては、注意指導を行えない上司よりも行える上司を高く評価できる体制を整えておく必要があり、この意味で、注意指導が出来ない上司の人事評価を下げたり、何らかの処分を行うことが有用な場合もあります。 山田総合法律事務所 パートナー弁護士 企業法務を中心に、使用者側労働事件(労働審判を含む)を特に専門として取り扱っており、労働トラブルに関する講演・執筆も多数行っている。 山田総合法律事務所 https://www.yamadasogo.jp/