西日本豪雨 被災地でボランティア装う悪質商法に注意
西日本を中心に甚大な被害が生じた「平成30年7月豪雨(7月豪雨)」から約3か月、大阪府など近畿地方に高潮や強風による被害をもたらした台風21号や、北海道で初めて震度7を観測した「北海道胆振東部地震」からそれぞれ1か月あまりが経過した。 全国の消費生活センターなど(独立行政法人国民生活センターホームページ) 被災した各地には依然として災害の傷痕が色濃く残り、復旧作業が今も続く。その一方で、各地の消費生活センターなどには、災害に便乗した悪質な商法や、契約トラブルの相談が多く寄せられているという。国民生活センターがこのほど、このうちの7月豪雨に関する相談内容をまとめ、公表した。
「点検商法」など強引な手法
これによると、被災地から多く寄せられているのが住宅関連の相談だ。賃貸住宅からの退去を強制されたケースや、住めない状況なのに賃料や原状回復費用を請求された、などの相談が寄せられているという。また、住宅の修理工事に関連して、悪徳商法が疑われる事例も複数寄せられているようだ。 「『この辺をボランティアでまわっている』と男性2人が自宅を訪問してきた。自宅は浸水の被害は受けておらず、修繕の必要がないので、不審に思っていると、『屋外の電気給湯器の貯湯タンクに泥が混じっているかもしれないので、調べた方が良い』と言われた。『うちは被害がないので、ボランティアは頼んでいない』と言うと、『私たちは自主的に被災地を訪問している』と言われた。断ったら、リフォーム会社の名刺を置いて帰った。本当にボランティアなのだろうか」(広島県60歳代女性) 「『壁がひび割れて、屋根瓦がずれているので、火災保険を使って無料で修理しませんか』と業者が訪問してきた。業者は天井のしみを確認したり屋根に上ったり1時間ほど調べた後、『先日の豪雨と地震で保険が下りるだろう』と言ったので、契約した。後は私が保険会社に審査を依頼すればよいとのことだが、契約書面等はなく名刺をもらっただけである。怪しいのではないか」(福岡県70歳代男性) 過去の自然災害でも、修理業者による強引な勧誘や、勝手に点検して不要な工事を契約させる「点検商法」などのトラブルは多く確認されているが、今回も同様のケースが生じている可能性があると考えられ、注意を呼び掛けている。