死の組突破の王者イタリアに伊紙「栄光なき前進。若いスペインに敗れ老いたクロアチアにも」
EURO2024(ユーロ2024)の死の組グループBで2位通過を決めたアッズーリについて、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』のステファノ・アグレスティ副編集長が25日、特集記事で見解を示した。 前回王者のイタリアは、スペイン、クロアチア、アルバニアと同居するグループBにおいて、1勝1分1敗の成績で2位通過を決めたが、第3節のクロアチア戦(1-1)では、55分にルカ・モドリッチに先制点を奪われると、2006年ドイツ・ワールドカップのアレッサンドロ・デル・ピエロ氏を彷彿とさせるマッティア・ザッカーニの同点弾が生まれる試合終了直前まで敗戦が濃厚だった。 そんなルチアーノ・スパレッティ率いるチームについて、同紙のアグレスティ副編集長は「栄光なき前進」などと批評を綴っている。「われわれは崖っぶちに立っていた。欧州王者が3試合で2敗目を喫するまであと一歩だった。若いスペインに圧倒され、老いたクロアチアにも負ける寸前だった」と指摘。「3位通過のための計算を始めようとしていた時、全てが終わったように見えた時、(リッカルド)カラフィオーリのがむしゃらで勇敢なプレーとザッカーニの魔法のタッチがイタリアの髪の毛をつかんで立ち直らせた」と振り返った。 アグレスティ記者は「イタリアは今回も良いカルチョではなかった」と主張。クロアチア戦の好材料として「決勝トーナメント進出、アッズーリの気迫、まだ続く夢」を挙げた一方で、「ミスや欠点から学んで再出発し、異なるチームを作り出すべきだ」との見解を示している。「何よりも驚くことに、イタリアは戦術的なアイデンティティを見つけ出すことに苦戦している」との見解も明かした。
■ストライカーやファンタジスタのいないイタリア
また、代表指揮官のスパレッティについて、「疑いの余地のない素晴らしい指揮官」と認めつつ、「EUROの冒険の前半は、セレツィオナトーレ(選考する人)というより、アッレナトーレ(トレーナー)という印象を受けた」と主張。「(スパレッティは)美しいチームを求めているが、このような大きな大会では、結果を追求する方がより効果的で生産性があり、結果は必ずしもスペクタクルなプレーを通じて手に入れなければならないわけではない。時間は限られ、毎試合が決定的になるため、明確で具体的なアイディアが少しあれば十分だ」と述べた。 最後にイタリア紙の副編集長は、ロベルト・バッジョやフランチェスコ・トッティ、アレッサンドロ・デル・ピエロといったファンタジスタや、クリスティアン・ヴィエリやフィリッポ・インザーギのようなエースストライカーが不在であることも問題点に挙げている。「どうしてこうなったのか。本当に問いかける時が来た」と主張し、育成年代の指導を分析することで、イタリアでスーパースターが生まれない原因を特定する必要があると危機感を募らせている。