“グルテン中毒”は危険! グルテンが引き起こす身体の不調を医師が解説
グルテンフリーは本当に効果があるの? 今回は梶の木内科医院 院長総合内科専門医梶 尚志先生が解説する腸内環境の改善、慢性炎症の軽減、精神的な安定など、グルテンフリーが身体に与える影響を教えてもらった。 【写真】グルテンフリーで得られる「4つの効果」 ▼梶 尚志(かじ・たかし)先生 梶の木内科医院 院長総合内科専門医、腎臓専門医、家庭医、総合内科専門医として患者を診察する中で、通常の診察では解決できない「体の不調」に栄養学的なアプローチから治療と生活指導を行う。
グルテンが体に与える影響とは?
グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質の一種で、生地に粘りや弾力を与える役割を持っています。しかし、このグルテンが体に悪影響を及ぼす場合もあります。具体的には、腸内環境の乱れや慢性炎症を引き起こし、それが精神面にも影響を及ぼすことがあります。主な症状として、消化器系の不調、皮膚トラブル、神経系の異常、さらには自己免疫疾患などが挙げられます。
グルテンによる不調とは?
1. 遅延型アレルギー 「代表的な例として、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性皮膚炎が挙げられます。この疾患は、急性のIgE型アレルギー(じんましんやアナフィラキシー)とは異なり、IgG抗体が関与する遅延型アレルギーによって引き起こされます。遅延型アレルギーでは、食品を摂取してから数時間から数日後に症状が現れるため、原因の特定が難しいことが特徴です」 2. 自己免疫疾患 「1型糖尿病や自己免疫性甲状腺疾患などの自己免疫疾患は、グルテンの影響が関与している可能性があります。これらの疾患を持つ人がグルテンフリーを実践すると、症状が改善するケースが報告されています」
グルテンが引き起こす“中毒”症状とは?
グルテン中毒とは、グルテンから生成される『グリアドモルフィン』というオピオイド様物質によって引き起こされるグルテン依存症を指します。 グリアドモルフィンは脳内のオピオイド受容体に作用し、モルヒネに似た快感をもたらす可能性があります。その結果、パンやパスタ、ケーキ、クッキーなどのグルテンを含む食品を摂取すると快楽を感じ、次第にグルテンへの依存が形成されます。 また、グルテン中毒は情緒の不安定さや集中力の低下、強い疲労感を伴うことがあり、精神的・身体的な健康への悪影響が懸念されています。