ポチャッコ“普通”なのになぜ人気? クセ強キャラ全盛時代に光る正統派の強み
個性の時代と言われる今、「普通が生きづらい…」と悩んでいる人もいるかもしれない。そんな人にぜひ知ってほしいのが、サンリオのキャラクター・ポチャッコだ。2月29日うるう年生まれで、今年デビュー35周年。近年、クセ強なキャラクターが脚光を浴びがちな中、その純粋な可愛さと明るさはそこにいるだけで人を笑顔にしてくれる。時代を経ても色褪せない、ポチャッコの”正統派アイドル”としての底力を深掘りしたい。 【画像】懐かしい! ポチャッコがコラボした大人気アニメの主人公 ■ファンが中学生になり卒業していく…、キティに次ぐ連覇記録を持ちながら低迷も ポチャッコとは、ぽちゃっとしたほっぺやお尻がチャームポイントの、イヌの男のコをモチーフとしたキャラクター。デビューは89年で、『サンリオキャラクター大賞』では1位を5連覇(91年~95年)したこともある。これはハローキティの前人未到の13連覇(98年~09年)に次ぐ記録であり、その人気のほどがうかがえるはずだ。ちなみに昨年の同大賞でも4位と上位をキープしている。 デビューから35年、たゆまず安定の人気を誇ってきたかのようなポチャッコだが、2001年に10位圏外に落ちて以降、長らく浮上できない時代もあった。現在の担当デザイナー伊藤康二さんは、当時を振り返る。 「90年代くらいまで、キャラクターは子ども向けとされていて、ファンの中心は小学生。中学生になると卒業していく、という感じでした。僕がポチャッコを引き継いだのも、ちょうどグッズがあまり発売されていない頃でした」 それから時代は変わり、今や子どもだけでなくあらゆる世代がキャラクターに親しむようになった。さらに2010年代には昭和レトロブームがやってくる。 「その頃に試験的に発売した80年代キャラクターの復刻版の評判が良かったことから、会社でも改めて昔のキャラクターにも力を入れていくことになりました。その中にポチャッコが入れてもらえたのは、ファンのみなさんのおかげです。グッズがほとんどなくても、忘れないでいてくれたみなさんには本当に感謝しています」