プロ野球、最も勝ち運のあった選手は誰か? ランキングでシーズンを振り返る
不運な投手は? 好投しても負けた投手たち
最近、日本でもクオリティースタートという指標がずいぶん浸透してきた。6回以上3失点以下を先発投手の最低限の仕事ととらえるのであれば、6回以上を2失点以下なら好投の部類といえるだろう。表4は6回以上2失点以下の結果を出しながら負けた回数の多い投手たちのリストだ。 今シーズンの公式戦でこの条件を満たした投手はのべ655人、そのうちの約60%の投手が勝ち投手となり、約12%が負け投手となった。この勝ち率、負け率から見て不運だったといえるのがメンドーサ(日本ハム)とモスコーソ(DeNA)の2人だ。 メンドーサは両リーグ6位タイの14度も条件をクリアしながら、勝ち投手となれたのはその半分に満たない6度、モスコーソにいたってはわずか13度の好投でわずか5勝しか挙げられなかった。ともに今シーズンは10勝に届かなかかったが、内容はもっとよかったといえる。 そして最も不運だったのが東明(オリックス)だ。ルーキーながら16試合に先発したが、この条件をクリアした好投時の勝敗はなんと0勝3敗、一度も勝てなかったのだ。仮にこの4試合に勝利していれば今季は9勝7敗、実際の成績である5勝7敗よりずっと見栄えもよかっただけに打線の援護のなさがもったいなかった。
安定感のあるリリーフ、ないリリーフ、無失点試合ランク
最後はリリーフ投手のランキングを紹介したい。表5は今シーズン30試合以上に登板したリリーフ投手を無失点だった試合の割合でランク付けしたものだ。 リリーフの投手の評価として防御率はもちろん重要だが、試合で点を失わなかった回数はその投手の安定感をより実感しやすいのではないだろうか。 その安定感1位は序盤の快進撃を支えた一岡(広島)だった。31試合に登板して失点したのはわずかに2試合と抜群の成績、人的補償から一気にチームの中心選手となった。それだけに故障による2度の離脱は実に悔やまれる。 2位は34試合連続無失点を記録した比嘉(オリックス)、3~5位はソフトバンクの3投手が並んだが、5位の岡島はこの好成績ながら先日戦力外通告を受けた。2012年にも開幕から26試合連続無失点を記録するなどリリーフとしての安定感には定評があり、どのチームが獲得するか非常に注目したい。 ワーストで注目は平野佳(オリックス)。2位に躍進したオリックスの守護神だが今シーズンは実に20試合で失点した。とくに勝負どころの9月以降は13試合中6試合で失点し4敗、これがV逸最大の原因といっても過言ではないだろう。 (株)日刊編集センター