MVP大谷翔平、来年3月から二刀流宣言「スタートから投げる、打つのが目標」
【ニューヨーク21日(日本時間22日)=山田結軌、竹濱江利子通信員】米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手(30)がナ・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれた。エンゼルス時代のア・リーグで獲得した2021、23年に続き3度目の満票での選出で、受賞回数は歴代2位に並んだ。DH専任でプレーした選手のMVPは初めて。来年3月に東京で開催されるカブスとの開幕シリーズで投打「二刀流」での復帰を目指す考えを明らかにした。 【写真】愛犬のデコピンと共にソファーに座り専門局MLBネットワークの番組で笑顔を見せるドジャースの大谷翔平。隣には妻真美子さん 愛する家族と歓喜の瞬間を迎えた。大谷はMLBネットワークの番組に中継で出演。チームメートのクレイトン・カーショー投手(36)が受賞者を発表すると、茶色のジャケット姿で夫人の真美子さん(27)、愛犬のデコピンとともに画面に映し出された。 1年前のMVP受賞時はデコピンが初登場した。今年は2月に結婚を発表した真美子さんが加わり、真っ赤なソファに並んで座って対応。関係者の拍手に驚いたデコピンが〝逃走〟した中、真美子さんと笑顔でグータッチを交わした。 「一番はワールドシリーズに勝ったこと。ドジャースの一員として、代表してもらったと思っている。それくらい、みんなでつかみ取った」 10年総額7億ドル(約1015億円=為替レートは入団合意時)の超大型契約で加入。元通訳の違法賭博事件が発覚して激動の船出となったシーズンで史上初の「50本塁打、50盗塁」を達成し、最後はワールドシリーズを制覇した。 今季は54本塁打、130打点で2年連続の本塁打王と初の打点王に輝いた。打率・310、59盗塁はリーグ2位。選考の対象となったレギュラーシーズンの印象的な出来事として「一番緊張したのは(愛犬)デコの始球式(8月28日)。思い出に残っているのは(3本塁打を放って50-50に達し)ポストシーズンが決まった試合(9月19日)」と笑顔で明かした。 投打二刀流を評価された過去2度の受賞と異なり、今季は打者に専念。「オフェンス面で(投手ができない分を)補えるぐらい活躍したかった」と、突出した成績を「走攻」で残し、守備に就かないDHを主戦場とする選手では初めて受賞した。投票者全員から1位票を獲得する満票での選出は、既に史上初だった自身の2度を更新する3度目。リーグをまたいでの2年連続受賞も初。両リーグでの栄冠は1961年にレッズ、66年にオリオールズで選ばれたフランク・ロビンソン以来58年ぶり2人目の快挙となった。 パワーとスピードを両立させた万能選手は、来年3月18、19日に東京ドームで開催される開幕シリーズでの投打二刀流復活を見据えた。