四宮義俊の初長編アニメーション「A NEW DAWN」来年公開、幻の花火をめぐる物語
日本画家・アニメーション作家の四宮義俊が原作・脚本・監督を担う劇場長編アニメーション「A NEW DAWN(英題)」が2025年に公開決定。第77回カンヌ国際映画祭のマーケットにて開催される「Animation Day」アヌシー・アニメーションショーケースへ選出されたことがわかった。四宮はフランス現地時間5月19日、本作のメイキング映像の上映とプレゼンテーションを行う。 【画像】「A NEW DAWN(英題)」場面カット 日本画家として絵画を軸に立体、映像など多彩な創作活動を行い、新海誠の「君の名は。」の回想シーン、片渕須直の「この世界の片隅に」の水彩画などアニメーション映画にも参加してきた四宮。邦題未定の「A NEW DAWN」は、自らオリジナル脚本を書いた初の長編アニメーション作品となる。舞台は立ち退きの強制執行が迫る創業330年の花火工場・帯刀煙火店。そこで育った3人の若者たちと、幻の花火“シュハリ”をめぐる2日間の物語を描き出す。 映画は「リンダはチキンがたべたい!」「化け猫あんずちゃん」を手がけたフランスのスタジオ・Miyu Productionsと、アスミック・エースとの日仏共同製作に。アニメーション制作はスタジオアウトリガーが担当する。さらにキャラクターデザインをテレビアニメ「天国大魔境」のうつした(南方研究所)、美術を「君の名は。」「詩季織々」の馬島亮子、音楽を国内外でのパフォーマンスや展覧会など多様なプロジェクトで注目される蓮沼執太が担う。 四宮は企画が動き出したという2016年を振り返りながら「ある日、雑木林の隙間からあるはずのない『海』を子供が見つけ僕に問いかけました。凝視すれば何のことはないソーラーパネルの羅列でした。ネガティブに感じられ変わっていく日本の風景にいっとき新しい解釈を与えた次の世代の感性は僕にとってとても意味のあるものに感じられました。そしてその瞬間、この物語は駆動し始めました。当時はごく一部の事象を描いたものでしたが、時を経るごとに物語がリアリティを帯びていった様に思います」と語っている。 ■ 四宮義俊 コメント この映画は僕の一本目の長編映画です。 企画を作り始めたのは2016年でした。月日が経つうちに、自分を取り巻く環境や景色も変わり、家族もできました。 ある日、雑木林の隙間からあるはずのない『海』を子供が見つけ僕に問いかけました。凝視すれば何のことはないソーラーパネルの羅列でした。ネガティブに感じられ変わっていく日本の風景にいっとき新しい解釈を与えた次の世代の感性は僕にとってとても意味のあるものに感じられました。 そしてその瞬間、この物語は駆動し始めました。当時はごく一部の事象を描いたものでしたが、時を経るごとに物語がリアリティを帯びていった様に思います。 企画が始まってから8年目の今日みなさんに情報をお届けできることにちょっとした奇跡も感じています。 完成まではまだまだ長い道のりですが、作りながら、また少しずつ皆さんに知っていってもらえると嬉しいです。 (c)A NEW DAWN Film Partners