【トライアウト】15年広島ドラ1・岡田明丈 魂の全球直球勝負「自分の直球を投げ切ることができました」
プロ野球の12球団合同トライアウトが14日、ZOZOマリンスタジアムで行われ、投手、野手計45選手が参加。トライアウトはカウント0―0からのシート打撃形式で行われた。2015年ドラフト1位で広島に入団した岡田明丈投手(31)は全球を直球勝負で復活をアピールした。 対戦打者1人目はNPBで通算1322試合に出場し、打率.270、1164安打、105本塁打、482打点をマークした陽岱鋼。実力者相手に自らのすべてをぶつけた。初球を146キロ直球で入ると、140キロ台中盤の直球で追い込み、最後はこの日最速となる外角低め149キロ直球で空振り三振。続く巨人・前田も直球で遊ゴロに仕留めた。 投じた8球は全て直球。登板を終えた岡田は「皆さん見ていただいている中で、しっかり自分のストレートを投げ切ることができました」とほほ笑んだ。全球直球勝負については「ストレートしか投げないと決めていたので、コースも高さもいいところに投げ切れた」と振り返った。 17年に自己最多12勝を挙げてリーグ優勝に貢献。しかしその後は苦しみ、21年10月に「右肘内側側副靱帯(じんたい)再建術(通称トミー・ジョン手術)」を受け、23年11月に育成契約。今年7月に支配下復帰していた。 「肘自体の不安はほとんどない状態でしっかり投げることが出来ていると思います」。 スタンドには各球団の編成陣が集結した。巨人・吉村禎章編成本部長、ヤクルト・小川淳司GMなども視察した。再びマウンドに立つために、剛球が武器の右腕は全力を尽くした。 12球団合同トライアウトはNPB主催で2001年から開催。6月21日の日本野球機構(NPB)と日本プロ野球選手会の事務折衝で存続の可否、開催方式などが話し合われた。12球団ともプロスカウト制度が定着し、トライアウトが形がい化している現状を受け、NPB主催としては今季が最後となる方向性となっている。